Galileo satellite in orbit
Image credit: ESA
 欧州宇宙機関(ESA)は11月10日、今年8月に打ち上げに失敗した2機の航法衛星ガリレオの実用機(FOC M1 SAT 5、6)について、衛星自身のスラスターを用いて軌道変更を開始したと発表した。スラスターの能力の限界から、当初予定していた軌道までは到達できないが、航法衛星として、限定的ではあるものの測位ミッションを行えるようにはなるという。
 ガリレオFOC M1 SAT 5、6は今年8月22日、ソユーズST-B/フレガートMTロケットに搭載され、南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられた。しかし、上段のフレガートMTに問題が発生し、予定から大きく外れた軌道へ投入されることになった。
 目標としていたのは高度23,222km、傾斜角55.04度の軌道だったが、実際に投入されたのは地球にもっとも近地点高度が13,713km、遠地点高度が25,900km、傾斜角が49.69度の軌道だった。
 当初は衛星の持つスラスターを使い、計画していた軌道へ移動させることが検討されたが、スラスターの能力では不可能であることが分かり却下された。そこで妥協策として、近地点高度を約4,000kmほど上げ、17,339kmの軌道に乗せることになったという。
 現在の軌道は一部がヴァン・アレン帯の中に入っており、衛星が放射線被曝を受けているが、この新しい軌道ではそれを軽減することができるという。また、地球上の同一地点の上空に戻ってくる頻度が、通常のガリレオは10日間隔だが、この軌道では20日間隔にまで近付くため、限定的ではあるが、ガリレオ本来の役目である測位ミッションを実施することも可能になるとのことだ。ただ、この新しい軌道への移動で、衛星内の推進剤のほとんどを使ってしまうため、寿命は短くなる。
 まず最初にガリレオFOC M1 SAT 5がこの新しい軌道への移行を開始する。衛星は15回に分けてスラスターの噴射を実施し、新しい軌道に到着するまでには約2週間かかる予定だという。成功すれば、もう1機のガリレオFOC M1 SAT 6も同様の軌道変更を実施するとのことだ。
■Galileo satellite set for new orbit / Navigation / Our Activities / ESA
http://www.esa.int/Our_Activities/Navigation/Galileo_satellite_set_for_new_orbit

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