PSLVロケット、航法衛星IRNSS 1Cの打ち上げに成功

PSLV-XL launches IRNSS-1C
Image credit: ISRO
 インド宇宙研究機関(ISRO)は10月16日、航法衛星IRNSS 1Cを搭載したPSLVロケットの打ち上げに成功した。IRNSSはインド周辺地域を対象とした衛星測位システムで、IRNSS 1Cは同システムにとって3機目の衛星となる。
 ロケットはインド標準時2014年10月16日1時32分(日本時間2014年10月16日5時2分)、インド南部にあるサティシュ・ダワン宇宙センターの第1発射台(FLP)から離昇した。ロケットは順調に飛行し、離昇から約20分後に衛星を分離した。
 ISROの発表によれば、衛星は近地点高度282.56km、遠地点高度20,670kmの軌道に入っているとされる。計画値は近地点高度284km(誤差±5km)、遠地点高度20,650km(±675)km、傾斜角17.86度(±0.2度)であり、ほぼど真ん中を貫いている。
 また米国の宇宙監視ネットワークの観測データによれば、近地点高度は約275km、遠地点高度は約20,900km、傾斜角17.8度で、これは計画値を若干外してはいるものの、誤差の範囲と言えるだろう。
 なお、この軌道は通常の静止トランスファー軌道より低く、サブ静止トランスファー軌道と呼ばれている。今後衛星側が自身のスラスターを使い、4度の軌道変更を経て、目的地である東経83度の静止軌道へと移動する予定だ。
 IRNSS 1Cはインド周辺地域を対象とした衛星測位システム、IRNSSを構成する3機目の衛星となる。IRNSSという名前もIndian Regional Navigation Satellite System(インド地域航法衛星システム)の頭文字から取られている。
 インド周辺限定であるため、全地球測位システムではなく、日本が構築を目指している準天頂衛星システムに近い。また発信する信号は、米国のGPSと互換性を持つように造られている。
 IRNSSは合計7機の衛星を打ち上げる計画で、そのうち4機が赤道面から29度傾いた静止軌道(したがって厳密には静止軌道ではない)に、3機が静止軌道に投入される。IRNSS衛星は2013年7月1日にIRNSS 1Aが、また今年4月4日にはIRNSS 1Bが打ち上げられており、これら2機は傾斜した静止軌道に入っている。今回のIRNSS 1Cは初となる軌道傾斜角0度のIRNSS衛星だ。
 IRNSSは2015年中の完成を目指しており、つまり来年中に4機のIRNSS衛星が打ち上げられることになる。
 衛星の寸法は1.58 x 1.50 x 1.50mで、打ち上げ時の質量は1425.4kg。設計寿命は10年が予定されている。
 PSLVはISROが運用するロケットで、PSLVとはPolar Satellite Launch Vehicleの頭文字から取られている。その名前からも分かる通り、極軌道への打ち上げに特化したロケットだ。今回で28機目の打ち上げとなり、実運用に入ってからは25機目の打ち上げとなった。試験機と実運用機のそれぞれ1号機以外は失敗はなく、24機連続成功という安定した打ち上げを続けている。
 今回の打ち上げに使われたのはPSLV-XLと呼ばれる構成で、これはPS0M-XLと名付けられたブースターを6基装備していることを表している。PSLVにはもうひとつ、ブースターを持たないPSLV-CAと呼ばれる構成もあり、現在はこの2種類が主に運用に就いている。
 ISROではもう一つ、静止衛星の打ち上げに特化したGSLV (Geosynchronous Satellite Launch Vehicle)というロケットを運用している。こちらは全8機の打ち上げ中、成功したのは3機という数字ではあるが、ロシア製のロケットエンジンから国産エンジンへ切り替えるなどの大きな改良を挟んでおり、単に信頼性が低いとは言い切れない点がある。
 また現在、新型のGSLV Mk IIIロケットの開発が進められている。Mk IIIとは言っても、現行のGSLVとはまったく異なる完全に新規設計されたロケットである。打ち上げ能力は大きく向上し、また有人宇宙船の搭載もできるなど、世界第一級の大型ロケットと肩を並べられるほどの能力を持つ。初の試験打ち上げは今年11月ごろに予定されている。
■Welcome To ISRO :: Press Release :: October 16, 2014
http://www.isro.org/pressrelease/scripts/pressreleasein.aspx?Oct16_2014

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