長征五号と長征七号ロケット用の移動発射台が完成

CZ-5 and CZ-7 ML
Image credit: 中国航天報
 中国航天科技集団公司(CASC)は9月24日、建設中の文昌衛星発射センターにおいて、長征五号と長征七号ロケットに使用される移動発射台が完成したと発表した。
 また先日は、中国有人宇宙計画室(CMSA、China Manned Space Agency)の副主任を務める楊利偉氏が「文昌衛星発射センターはすでにほとんどが完成しており、ロケットを打ち上げる準備がほぼ整っている」と発表しており、中国の新たなロケット、新たな宇宙基地の完成が近づいている。
 文昌衛星発射センターは、酒泉、太原、西昌の各センターに続く、中国にとって4箇所目の宇宙基地で、「中国のハワイ」として有名な海南島に建設されている。
 また、文昌衛星発射センターの建設と並行して、現在の長征二号、三号、四号に代わる、新しい長征ロケット・シリーズとして、長征五号、六号、七号、九号、十一号を開発中だ。このうち、大型ロケットの長征五号、小型ロケットの長征六号、そして中型ロケットの長征七号はモジュラー式を採用し、第1段やブースターを共有している。
 長征五号は、大型の人工衛星を中心に、有人宇宙ステーションのモジュールや、月以遠に探査機や宇宙船を打ち上げられる能力を持つ。
 第1段に液体酸素/液体水素を使用するYF-77ロケットエンジンを2基装備し、その周囲に液体酸素/ケロシンを使用するYF-100ロケットエンジンを持つ、K3-1とK2-1の2種類の液体ロケットブースターを装備し、またそのブースターの構成を変えることで多種多様な衛星の打ち上げに対応することができるようになっている。第2段には液体酸素/液体水素を使用するYF-75Dロケットエンジンが2基装備される。なお第2段は使用されない場合もあるとされる。
 設計思想としてはアリアン5やH-IIAと同じく、両脇のブースターを実質の第1段、中央のコア・ステージを実質の第2段としている。
 地球低軌道に最大25t、静止トランスファー軌道には最大14tの打ち上げ能力を持ち、欧州のアリアン5やロシアのプロトン、アメリカのデルタIV、アトラスV、ファルコン9、また日本のH-IIBなどと対抗する機体となる。
 前述のように、長征五号にはK3-1とK2-1と呼ばれる2種類のブースターが用意されている。K3-1のほうが大きく、YF-100ロケット・エンジンを2基持っている。K2-1は小型でYF-100は1基だ。これらを組み合わせることで、長征五号の能力を、打ち上げたい衛星に合わせて変えることができるようになっている。
 YF-100はケロシンと液体酸素を推進剤とするエンジンで、二段燃焼方式を採用し、推力は約120t(約1,180kN)という極めて高い数値を誇るとされる。もともとはソヴィエト連邦で開発されたゼニート・ロケットの第2段ロケット・エンジンRD-120をコピーしたものだといわれているが、RD-120はかなり高度な技術で造られており、仮に実物が目の前にあったとしても、そう簡単にコピーできるものではない。コピーできたという事実は、それだけで中国のロケット技術の高さを示している。
 長征七号は、第1段にK3-1を使い、その周囲にK2-1をブースターとして装着することで構成される。第2段にはYF-115ロケットエンジンを4基持つ。YF-115は推力15t(147kN)ほどのケロシン/液体酸素エンジンだ。また2基のYF-75Dを持つ第3段を追加でき、静止トランスファー軌道や月探査機などの打ち上げにも使える。YF-75Dは現在長征三号シリーズの上段として使われている液体酸素/液体水素エンジンYF-75の改良型とされる。
 打ち上げ能力は地球低軌道に1.35t、太陽同期軌道に5.5t、また有人宇宙船なら地球低軌道に12.5tとされる。これまで長征二号、三号、四号が担ってきた主力ロケットの座を引き継ぎ、通信衛星や地球観測衛星などの人工衛星や、有人宇宙船を打ち上げる主力ロケットになる予定だ。
 長征七号の初打ち上げは2015年に予定されている。その後長征六号も投入され、長征五号は2016年に打ち上げられる予定となっている。
■海南发射场长五、长七运载火箭发射平台安装完成_中国航天科技集团公司
http://www.spacechina.com/n25/n144/n206/n133097/c749113/content.html

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