ATK社、ロシア製RD-180エンジンの代替案として固体ロケットを提案

SRB DM-3
Image credit: NASA
 米国のATK社は9月23日、輸入できなくなる恐れが出ているロシア製のRD-180ロケットエンジンの代替案として、自社の新しい固体燃料ロケットモーターを、米空軍に対して提案すると発表した。
 現在、米国の軍事衛星や偵察衛星を多く打ち上げているアトラスVロケットは、第1段にロシア製のRD-180ロケット・エンジンを使っているが、昨今の米露関係の悪化により、ロシアからエンジンを輸入できなくなる可能性が持ち上がっている。
 これを受け、アトラスVを運用しているユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は今年6月、RD-180を代替する、新しい国産の炭化水素燃料ロケットエンジンの開発に着手すると発表した。そして先日、ネット通販大手のAmazon.comを創設した、ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられたブルー・オリジン社が、新たに米国製の液体燃料ロケットエンジンを開発することが発表されたばかりだ。
 今回のATK社によれば、この新しい固体ロケットは、設計から飛行資格の取得まで数ヶ月以内に完了できるとし、またすでにある製造施設や試験施設を使うことにより、低コストで開発できるとしている。くわえて、液体ロケットと比べ、打ち上げに必要な地上設備が小規模で済むことも利点として挙げられており、さらにそもそも固体は推力が大きいため、ロケットの第1段には最適とも語られている。名指しこそしていないものの、これは明らかに、ブルー・オリジン社が開発する液体燃料ロケットエンジンを意識したものであろう。
 また、固体ロケットは一般に、燃焼時の振動が大きく、「乗り心地」は液体ロケットに劣り、有人ロケットや繊細な人工衛星にとっては不利であることが知られているが、同社によればそれを解決する、新しい技術を開発したという。
 ATK社は米国の航空宇宙大手の企業で、宇宙分野ではスペースシャトルの固体ロケットブースター(SRB)や、デルタIVロケットの固体ロケットブースター、アンタレス・ロケットの第2段などの開発、製造を手がけている。
 ATK社にとっては、スペースシャトルが退役したことで、SRBを中心に仕事が減り、またSRBを流用した大型ロケット、リバティの開発計画も事実上頓挫した。
 現在NASAとボーイング社が開発中の大型ロケット、スペース・ローンチ・システム(SLS)にも、シャトルのSRBが流用されることになっているものの、打ち上げ回数は数年に1機程度ほどになる見込みで、さらにゆくゆくは液体燃料ロケットを使ったブースターに置き換えることが検討されており、ATK社にとっては、従業員の雇用確保はもちろん、大型固体ロケットモーターを開発、製造する技術や設備の維持という点からも、危機感をつのらせているという事情があろう。
写真=NASA。
■ATK Offers Solid Solution to U.S. Air Force’s RD-180 Replacement Request – Sep 23, 2014
http://atk.mediaroom.com/2014-09-23-ATK-Offers-Solid-Solution-to-U-S-Air-Forces-RD-180-Replacement-Request

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