Soyuz TMA-14M
Image credit: NASA/Reid Wiseman
 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は9月26日、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する3人の宇宙飛行士を乗せたソユーズTMA-14M宇宙船を打ち上げた。ロケットからの分離後、ソユーズTMA-14Mの両側に装備されている太陽電池パドルのうち、片方が開かないというトラブルが発生したが、打ち上げから6時間後にISSへ到着した。
 ソユーズTMA-14Mを搭載したソユーズFGロケットは、現地時間2014年9月26日2時25分(日本時間2014年9月26日5時25分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の1/5発射台、通称「ガガーリン発射台」から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約9分後にソユーズを軌道に投入した。
 しかし打ち上げ後、ソユーズTMA-14Mの両側に装備されている太陽電池パドルのうち、機体の左側に当たる側のパドルが開かないというトラブルが発生した。だがロスコスモスは、ISSとのドッキングに支障はないと判断し、飛行を継続させ、そして打ち上げから約6時間後の、11時11分(日本時間)に、ISSのズヴェズダ・モジュールにドッキングを果たした。
 ロスコスモスが飛行継続を決定した背景には、内蔵バッテリーに充電されている電気だけでも、ドッキングまでは持つという理由があったようだ。
 さらに、ここ最近のソユーズ宇宙船の飛行は、打ち上げから約6時間でISSに到着するコースを取っていたことも功を奏した。以前のソユーズは打ち上げからドッキングまで約2日かかっており、もし今回も2日掛かるコースを取っていれば、バッテリーの充電が切れる前に、緊急帰還する事態になっていただろう。
 また、ソユーズの機械モジュールにあるラジエター(放熱システム)の一部分が、非展開状態のパドルに隠されてしまうことから、熱制御に影響が出る可能性も懸念されたが、これもおそらくは飛行時間が短かったことから問題は出なかった。
 なお開かなかったパドルは、ISSとのドッキング後に展開した。おそらくドッキング時の衝撃により、展開を妨げていた何かが外れたりといった理由で開いたものと見られる。
 現時点では、開かなかった原因に関する情報は出てきていない。
 ソユーズや、その貨物版であるプログレス補給船に問題が発生するのは、もはや日常茶飯事になりつつある。ここ数年に限っても、例えば2006年と2008年、2013年に、プログレス補給船の展開式アンテナに関する故障が発生している。このアンテナはソユーズにもまったく同じものが使われている。
 また今年3月には、ソユーズTMA-12M宇宙船が打ち上げ後に、スラスターの噴射で問題が発生し軌道変更に失敗、予定では6時間でISSに到着するはずが、2日掛かる旧来の飛行プロファイルに急遽変更された。この時の原因はソフトウェアにあったとされている。
 さらに、2003年のソユーズTMA-1、2007年のソユーズTMA-10、2008年のソユーズTMA-11では、地球への帰還時に「弾道突入モード」と呼ばれる通常とは異なる帰還方法で大気圏に再突入し、宇宙飛行士には通常帰還時よりも強いGがかかり、着陸地点も大きくずれるという問題が発生した。このモードは本来、緊急帰還の際に使われるものであるが、この3ミッションでは、それぞれ理由は異なるものの、技術的な問題により意図せず起こってしまった。
 ロシアの宇宙開発は近年、ソユーズやプログレス以外にも、故障などの問題発生率が目に見えて増加しており、このままではいずれ、緊急帰還や、あるいは打ち上げ時に脱出システムを使用するような事態が起こってもおかしくはない。
 ソユーズTMA-14Mには、アレクサンダー・サマクチャイエフ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズ船長)、バリー・ウィルモア宇宙飛行士(NASA、ソユーズのフライト・エンジニア)、エレナ・セロヴァ宇宙飛行士(ロスコスモス、ソユーズのフライト・エンジニア)の3人が搭乗していた。彼らは国際宇宙ステーション(ISS)の第41/42次長期滞在員として、約6ヶ月間滞在し、来年3月にソユーズTMA-14Mに乗って地球に帰還する予定だ。
写真=NASA。
■Пилотируемый корабль «Союз ТМА-14М» успешно пристыковался к МКС
http://www.federalspace.ru/20958/

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