BE-4 Rocket Engine
Image credit: ULA
 ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社とブルー・オリジン社は9月17日(日本時間9月18日)、共同で記者会見を開き、新型ロケット・エンジンBE-4の開発で協定を結んだと発表した。BE-4は、今後入手が困難になる可能性のある、アトラスVロケットの第1段ロケット・エンジンRD-180を代替することになるという。
 実際の開発はブルー・オリジン社が担当し、ULA社は資金提供を行う。
 BE-4は液化天然ガス(LNG)と液体酸素を推進剤とし、エンジン・サイクルには酸素リッチの二段燃焼方式を採用する。ブルー・オリジン社によれば、LNGを選択した理由は、ケロシンなど他の燃料と異なり、ヘリウムによるタンク加圧系統が不要で、かつ低コストであるため開発が行いやすいためであるという。また、爆発などの危険性が低いため、操作性や安全性が高く、さらにススが発生しないため、将来的に再使用型のエンジンへの発展も見込めるという。
 BE-4の推力は海面上で550,000lbf(約2.45MN)で、アトラスVなどへは2基クラスター化して使用するという。また、完全米国製であることも特長のひとつだ。
 BE-4の開発はすでに3年前から始まっており、2016年にも完成品エンジンの試験が、そして2019年に同エンジンを搭載したロケットの初飛行を見込んでいるという。
 ULA社は、ボーイング社とロッキード・マーティン社が共同で設立したロケットの運用会社で、ボーイング社のデルタIVロケット、そしてロッキード・マーティン社のアトラスVロケットを主に運用している。このうち、アトラスVの第1段には、ロシア製のRD-180ロケット・エンジンが使われているが、昨今の米露関係の悪化により、ロシアからエンジンを購入できなくなる可能性が持ち上がっていた。
 例えば今年5月、ロシアのドミートリィ・ロゴージン副首相は、ロシア製エンジンの輸出を取り止めや、軍事衛星の打ち上げにRD-180を搭載したロケットを使用することを禁止することを匂わせる発言をしている。
 こうした状況を受けて、ULA社は今年6月16日、RD-180ロケット・エンジンに取って代わる、新しい国産の炭化水素燃料ロケットエンジンの開発に向けて、その調査と検討のため、国内の数社と契約を結んだと発表していた。そのうちの一社がブルー・オリジン社だったということになる。
 ブルー・オリジン社は、ネット通販大手のAmazon.comを創設した、ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた宇宙ベンチャーだ。同社は秘密主義を貫いており、これまで単段式のサブオービタル機や、軌道に乗る宇宙船の開発などを行っていたことが断片的に知られているのみで、その詳細については謎に包まれている。
■United Launch Alliance and Blue Origin Announce Partnership to Develop New American Rocket Engine – United Launch Alliance
http://www.ulalaunch.com/ula-and-blue-origin-announce-partnership.aspx

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