長征二号丁、通信衛星「創新一号04星」と「霊巧」の打ち上げに成功

CZ-2D launches Chuang Xin 1-04 and Ling Qiao
Image credit: 中央政府门户网站
 中国政府は9月4日、通信衛星「創新一号04星」と、通信試験衛星「霊巧」の2機を搭載した長征二号丁ロケットの打ち上げに成功したと発表した。
 ロケットは中国標準時2014年9月4日9時15分(日本時間2014年9月4日10時15分)、甘粛省にある酒泉衛星発射センターから離昇した。その後、中国政府や国営メディアは打ち上げは成功したと発表した。また米国の宇宙監視ネットワークも、高度770 x 809km、赤道からの傾きが98.5度の太陽同期軌道に今回打ち上げられた衛星を検知し、打ち上げ成功が裏付けられている。
 創新一号04星は質量88kgほどの小型衛星で、中国科学アカデミーと上海航天技術研究院(SAST)によって開発された。
 創新一号はストア&フォアードと呼ばれる形式の通信衛星で、中国各地に置かれたモニタリング・ポストからのデータを集め、いったん衛星内で保管し、地上局のアンテナの可視圏内に入ったところでそのデータを下ろすという運用がされる。モニタリング・ポストで集められるデータは、降雨量や気象情報といった自然、環境に関することから、発電所の電力の値など工業に関することも含まれる。これにより、災害の防止や、発生後の対処、また経済発展に役立つとされる。
 創新一号04星の「04星」とは「4号機」といった意味で、これまでに2003年10月21日にCBERS 2と相乗りで創新一号01星が、2008年11月5日に試験衛星三号と相乗りで創新一号02星が、そして2011年11月20日に試験衛星四号と相乗りで創新一号03星の、計3機が打ち上げられている。
 霊巧は、中国の清華大学と、中国の通信会社である信威通信が開発した衛星で、文字や写真、動画、音声など、マルチメディアの通信試験を目的としているとされる。また打ち上げ時の質量は135kgであるとされる。これは清華大学新聞が明らかにしているものである。
 なお、長征二号丁の太陽同期軌道への打ち上げ能力は1,300kgで、創新一号04星と霊巧とを合わせた質量は223kgということを考えると、2機搭載するためのディスペンサーを含めるとしても、長征二号丁にとっては役不足である。とはいえ、創新一号02星、03星の打ち上げの際も、主ペイロードの試験衛星三号、四号は200kgほどの衛星であり、今回に限った話ではない。また、2機の衛星以外に別の衛星が載っていた形跡もなく、軌道上にも見つかっていない。長征二号丁は、現在中国が持っているロケットの中で太陽同期軌道への打ち上げ能力が小さいロケットのひとつであることから、おそらく他に適当なロケットがなかったために、オーバースペックは承知で打ち上げたと思われるが、詳細は不明だ。
 長征二号ロケットは、もともと返回式衛星(FSW)と呼ばれるフィルム回収式の偵察衛星を打ち上げる手段として、当時開発が進められていた大陸間弾道ミサイル「東風5」を基に造られた。
 最初に開発された機体である長征二号は2段式のロケットで、地球低軌道に2tの打ち上げ能力を持っていた。1974年11月5日に1号機の打ち上げを試みるも離昇20秒後に爆発、失敗に終わる。原因はジャイロからの信号を伝達するケーブルに問題があったためと記録されている。
 その後、改修を施した長征二号甲が登場した。長征二号甲は基本的に長征二号と同じ機体だが、長征二号の失敗の原因となったケーブル部に手が加えられている。1975年11月26日に1号機が打ち上げ成功し、FSWを軌道に乗せた。その後1978年1月26日までに全3機が打ち上げられた後、引退した。
 またその後、打ち上げ能力を高めた長征二号丙が登場した。見た目は長征二号、長征二号甲と似ているが、改良により、地球低軌道への打ち上げ能力が2.4tにまで向上している。FSWなどの他、イリジウム衛星など他国の商業衛星を打ち上げるロケットとしても使われ、第3段として固体ロケットを装着した構成や、また近年は打ち上げ能力を4tまで高めた改良型も登場した。1982年9月9日に初飛行し、現在も活動している。
 そして、1980年代中期に開発されたFSWの改良型FSW-2を打ち上げるために、長征二号丁が開発された。当初は長征二号丙の開発を担当した中国運載火箭技術研究院(CALT)が長征二号丙の改良型を提案するもコスト高により却下、代わりに上海航天技術研究院(SAST)が提案した案が採用され、これが長征二号丁となった。1992年8月9日に初飛行し、現役である。ただし、当初開発された長征二号丁は1992年と1994年、1996年の3回だけ打ち上げられて運用を終え、2003年からは尾部にフィンが追加されるなどした、改良型の長征二号丁が運用に就いている。
 長征二号シリーズはこれまでに81機が打ち上げられ、77機が成功し、成功率は95%となっている。また長征二号丁に限っては21機が打ち上げられており、すべて成功している。
■我国成功发射创新一号04星_图片_新闻_中国政府网
http://www.gov.cn/xinwen/2014-09/04/content_2745224.htm

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