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Image credit: ESA
 8月22日に目標の軌道への投入に失敗した航法衛星ガリレオFOC M1 SAT 5、6について、欧州宇宙機関(ESA)は8月28日に追加の情報を公開した。
 ESAの発表によれば、現在衛星は、相変わらず予定と異なる軌道にはいるものの、ドイツのダルムシュタットにあるESAのコントロール・センターによる指揮の下、太陽電池パドルの展開や、太陽を指向するモードの確立に成功し、安定した状態で運用が行われているという。また衛星の運用を継続するために様々な可能性が検討されているとのことだ。
 だが、ドイツ航空宇宙センター(DLR)のヨハン・ディートリッヒ・ヴェルナー長官は自身のblogの中で、当初は太陽電池パドルの展開に失敗していたことを明らかにした。また、時系列的に言えば、打ち上げ後、まず最初にこの太陽電池パドルが展開しないという問題が判明し、その後、衛星の軌道が計画からずれていることが判明したという。さらに、フレガート上段の第1回・第2回の燃焼の間の、慣性飛行の最中に行われる予定だった「バーベキュー・ロール」と呼ばれる回転運動が実施されていなかったことが明らかになったという。バーベキュー・ロールとは、宇宙機が一方向から太陽光に炙られることで、不均一な温度上昇を防ぐために、機体を回転させることで均一に太陽光が当たるようにし、熱環境を一定に保つためのものだ。
 フレガートによるバーベキュー・ロールは、フレガート自身にとってももちろん、積み荷であるガリレオ衛星にとっても必要な動作であったが、それが行われなかったということは、フレガートに何らかの問題が発生したこと、またその結果、ガリレオの太陽電池パドル展開に支障が出た、ということを示している。ただし、ヴェルナー長官自身は「まだ何も結論付けることはできない」とし、断定は避けている。
 一方、ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は8月25日に声明を発表し、調査委員会を立ち上げ、欧州側と協力する旨を表明した。だが、「ロシア側はソユーズとフレガートを引き渡し、準備を行った。飛行時はESAのコントロール・センターの管理下にあった。またソユーズとフレガートからのテレメトリー・データは正常だった」ということが強調されており、失敗の原因がロケット側にあること、また責任がロシア側にあるという風潮に、待ったを掛ける内容となっている。
 しかし、現時点で明らかになっている事実からすれば、フレガートに問題が起きたことは明白である。欧州側では9月8日に最初の報告書を出したいとしているが、今回の事故の結果によって、今後の欧露の宇宙協力に大きな影響が出る可能性は高い。
■Update on Galileo launch injection anomaly / Launching Galileo / The future – Galileo / Navigation / Our Activities / ESA
http://www.esa.int/Our_Activities/Navigation/The_future_-_Galileo/Launching_Galileo/Update_on_Galileo_launch_injection_anomaly2

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