Foton-M No.4
Image credit: TsSKB Progress
 ロシアが今月19日に打ち上げた、微小重力実験衛星フォトンMの4号機の通信系にトラブルが発生した。現在は回復したとされるが、定常運用を行うための軌道に移っておらず、今後の運用や、予定していた実験に影響がでる可能性もある。
 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)が24日に発表した文書によれば、19日の打ち上げは成功し、衛星は予定していた軌道に乗ったものの、軌道を数周した後、地上との通信に問題が発生。衛星からの通信(ダウンリンク)は送られてくるものの、地上から送る通信(アップリンク)に反応しなくなってしまった。
 技術者による対応の結果、ロスコスモスは26日に「同日8時5分(モスクワ時間)に通信の回復に成功」と発表。また28日には、衛星が正常な状態にあることが発表された。問題の原因などは、現時点では発表されていない。
 だが、米国防総省の戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)の観測データによれば、現在もフォトンM 4号機は、ロケットから分離された直後とほぼ同じ、高度251 x 549kmの軌道を周回している。本来なら打ち上げの3日後に高度575kmの円軌道に乗り移る予定だったが、この問題により実施できなかったためだ。
 現在のままの軌道では、大気との抵抗のため、軌道の擾乱によって重力勾配や加速度にわずかに変化が発生することから、宇宙実験には適していない。今後、そうした不利を承知でこの軌道で運用し続けるのか、あるいはどこかのタイミングで軌道を上げるのかは不明だ。
 フォトンM 4号機は現地時間2014年7月19日2時50分(日本時間2014年7月19日5時50分)、ソユーズ2.1aロケットに載せられ、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の31/6発射台から打ち上げられた。
 フォトンMはTsSKBプラグリェース社が開発した衛星で、様々な実験装置を搭載し、宇宙空間で実験ができるようになっている。また球形の帰還カプセルを持ち、実験の成果を地球に持ち帰ることが可能だ。実験にはロシアとドイツの研究機関が参加し、機内にはヤモリや植物の種、微生物や、半導体、材料素材などが搭載されている。打ち上げ時の質量は6,840kg、そのうち科学機器は850kgを占め、さらにそのうちの600kgが地球へ持ち帰られる。
 今回打ち上げられたのはフォトンMの4号機となるが、これまでの1号機から3号機と異なり、太陽電池パドルを装備し(従来は内臓バッテリー)、また機械船部分も、偵察衛星や地球観測衛星で使われるヤンターリのものが使われている。これにより、軌道上での滞在可能期間が、最大で6ヶ月間まで延びている。
 当初の計画では約2ヵ月後の9月16日に、ロシアのオレンブルク州に帰還する予定だったが、今回の問題で早まる可能性もある。
■О работе космического аппарата «Фотон-М»
http://www.federalspace.ru/20803/

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