-PR-

ロシア航空宇宙防衛軍は今年4月、静止軌道で運用されていた唯一の早期警戒衛星を喪失した。ロシアのコメルサント紙が6月25日付けで報じた。

-PR-

早期警戒衛星とは、赤外線センサーを積み、地表で発生する熱を検知する衛星だ。主に弾道ミサイルの発射を検知したり、あるいは山火事や火山噴火、工場火災など、大規模な災害や事故の検知にも使われ、現在米国とロシア、フランスが運用している。

ロシアでは、ソ連時代から構築されているオーカ(Око、「眼」の意味)と呼ばれる早期警戒衛星システムを運用している。オーカはさらに、赤道上高度36,000kmにある静止軌道で運用されるUS-KMOと、大きな軌道傾斜角を持つ超楕円軌道(モルニヤ軌道とも呼ばれる)で運用されるUS-Kの2種類の衛星システムによって構成されている。

コメルサント紙によれば、2012年3月に打ち上げられたUS-KMOの衛星(コスモス2479)に、今年始め頃に問題が発生し、対処が行われたものの解決できず、今年4月に信号を止め、運用を終えたという。US-KMO衛星の設計寿命は、およそ5年から7年ほどであると推測されているが、わずか2年での機能喪失となった。

コスモス2479が運用を終えたことで、現存するUS-KMOはゼロとなり、残すはモルニヤ軌道を回るUS-K衛星のコスモス2422とコスモス2446の2機のみとなった。当然この2機だけでは地球全体をカバーできないため、ロシアの早期警戒衛星システムは不完全な状態で運用されていることになる。さらに、コスモス2422は2006年7月に打ち上げられた衛星で、コスモス2446も2008年12月打ち上げと、両機ともすでに設計寿命を超過、あるいは近付いており、ロシアからすべての早期警戒衛星が失われる日も近付いている。

 

Source

  • kommersant.ru - Ъ-Газета - "Око-1" лишилось зрения

-ads-

-ads-