Angara-1.2PP on the Pad
Image credit: Ministry of Defence of the Russian Federation
 6月27日に迫った打ち上げに向け、アンガラ1.2PPロケットが25日、プレセツク宇宙基地の発射台へと移動し、打ち上げに向けた最後の準備が始まった。
 機体移動に先立つこと24日、ロシア航空宇宙防衛軍が主催する飛行試験委員会において、アンガラ1.2PPの飛行試験の実施に許可が下された。そして25日の日中のうちに、ロケット組立棟(MIK)から鉄道で発射台へと運ばれた。
 アンガラ1.2PPは、ロシアのフルーニチェフ社によって開発された新型ロケット、アンガラの初号機だ。PPとは「初打ち上げ」を意味するПервого Пускаの頭文字から取られている。
 今回の打ち上げは、ロケットが設計通りの性能を持っているかを確認することを目的としており、したがって人工衛星を地球を回る軌道に投入はせず、弾道ミサイルのように地表に落下する弾道飛行を行う。もちろん人工衛星も搭載されておらず、ダミーの重りが載せられ、ロケットの第2段と結合したまま落下する。
 落下場所はカムチャツカ半島のクラー試験場で、ここはブラヴァーやトーポリMといった弾道ミサイルの試射を行う際の、着弾地点として有名だ。25日にはクラー試験場の周辺地域に対し、ロケット落下の警告も出されている。
 打ち上げは当初、6月25日に予定されていたが、何らかの理由により27日に延期された。なお現時点で、打ち上げ時刻は発表されていない。
 アンガラは、現在活躍中のプロトンやゼニートロケットの後継機として開発されたロケットだ。アンガラという名前は、ロシア中東部を流れるアンガラ川に由来している。
 アンガラはモジュール式であることを最大の特長としている。アンガラの第1段はユニバーサル・ロケット・モジュール(URM-1)と呼ばれ、このURM-1を何基も束ねたり、第2段(URM-2)を共有しつつ第3段を追加したりすることで、打ち上げ能力が様々なロケットを簡単に構築し、多種多様な大きさ、質量の人工衛星の打ち上げに対応できる仕組みになっている。言い換えれば、アンガラと名の付くロケットは、小型ロケットであり、中型ロケットでもあり、また大型ロケットでもあり、そして超大型ロケットにもなれるというわけだ。
 そして、もう一つの特長として完全なロシア製であることも挙げられる。プロトンはロシアのロケットではあるが一部の部品をウクライナから輸入しており、またゼニートは、エンジンはロシア製だが、ロケット自体はウクライナで製造されている。かつてウクライナはソビエト連邦の支配下にあったため何の問題も無かったが、ソ連崩壊後には独立国家となり、ロシアとウクライナの関係悪化もあり、次第にロケットの製造や運用に支障を来すようになっていた。それを受け、ロシアはプロトンの改良型として、ウクライナ製の部品を極力減らしたプロトンMを開発した。しかしゼニートではそうもいかず、ロシアからのエンジンの供給や、ウクライナでの製造で遅れが度々発生している。
 ソ連崩壊後、ロシア単独で製造、運用できるロケットの開発が決定されたのは意外に早く1992年のことであった。だが、開発は思うように進まず、90年代中にはモックアップができていた程度で、ロケットエンジンの燃焼試験が始まったのも2001年になってからだった。2004年には開発資金を得るため韓国に接近、アンガラの第1段は韓国の羅老ロケット(KSLV-1)の第1段として使われた。羅老は3機が造られ、最初の2機が失敗に終わり、最後の1機で成功した。つまりアンガラはアンガラとして打ち上げられたことはないが、第1段に限っては羅老を通じて3度の飛行経験があることになる。
 今回の初打ち上げで使われるアンガラ1.2と呼ばれる構成は、いくつかあるアンガラの構成の中で、もっとも打ち上げ能力が小さい機体だ。だが厳密には、今回打ち上げられるアンガラ1.2PPと、実際の運用で使用されるアンガラ1.2とは多少異なっており、通常のアンガラ1.2が全体の直径が同じスラリとした姿をしているのに対し、アンガラ1.2PPは第2段が膨らんだ、やや不格好な姿をしている。これは第2段に、アンガラA3やA5といった、大型ロケットの構成で使われるのと同じURM-2を搭載しているためだ。その理由については明らかにされていないが、おそらくアンガラA3やA5用の第2段の飛行データを取りたいのではないかと思われる。なおアンガラ1.2の第2段とアンガラA3、A5の第2段のエンジンは同じRD-0124Aが使われる。
■Ракета космического назначения «Ангара-1.2ПП» установлена на стартовом комплексе космодрома Плесецк : Министерство обороны Российской Федерации
http://structure.mil.ru/structure/forces/cosmic/news/more.htm?id=11961631@egNews

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