ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は16日、エジプトの地球観測衛星エジプトサット2を搭載した、ソユーズUロケットの打ち上げに成功した。ソユーズUを使ったプログレス補給船以外の人工衛星の打ち上げは、今回で最後となる見通しだ。

エジプトサット2を搭載したソユーズUは、現地時間2014年4月16日22時20分(日本時間17日1時20分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の31/6発射台を離昇した。ロケットは順調に飛行し、約520秒後に所定の軌道へ衛星を送り込んだ。

-PR-

エジプトサット2はエジプトのNARSS(National Authority for Remote Sensing and Space Sciences)によって運用される衛星で、ロシアのRKKエネールギヤ社によって製造された。光学センサー(カメラ)を持ち、白黒で1m、カラーで4mの分解能を持つ写真を撮影することができる。

エジプトは2007年に、ウクライナによって製造、打ち上げられたエジプトサット1を手にしたが、3年ほどで機能喪失に追い込まれている。その後、後継機の計画をウクライナとともに進めていたが、2009年にロシアとの共同事業に切り替え、エジプトサット2が製造されることとなった。エジプトサット2はエジプトサット1より大きく性能が向上しており、エジプト政府や、軍によって利用される。

打ち上げ時の質量は1,050kg、高度700km、51.6度の軌道を周回し、設計寿命は11年間が予定されている。

公式発表はされていないが、大方の見方によれば、ソユーズUがプログレス補給船以外の人工衛星を打ち上げるのは今回が最後になるとされる。今後はソユーズ2やアンガラなど新世代のロケットにその任を譲ることになり、プログレス補給船の打ち上げもまた、いずれはソユーズ2で行われることになる予定だ。

ところで、ソユーズUが今回のような軌道へ衛星を打ち上げる場合の打ち上げ能力は約4tであり、1t強しかないエジプトサット2を打ち上げるにしては明らかに役不足である。本来、1t程度の衛星の打ち上げであれば、ドニエプルやロコット、ソユーズ2.1vといったロケットを使うべきであろう。ただしソユーズ2.1vに関しては1度しか打ち上げられていないから、信頼性の面で使用を避けたと解釈はできる。一説にはRKKエネールギヤ社が信頼性の点からソユーズの使用を好んだ結果であるとされるが、真相は定かではない。

またフェアリングもプログレス補給船の打ち上げで使われているものと同じであるなど、疑問を残す打ち上げとなった。

 

■Состоялся успешный запуск РН «Союз-У» с КА «Иджипсат»
http://www.roscosmos.ru/20460/

-ads-

-ads-