Atlas V launches NROL-67


Image credit: ULA
 ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は10日、米国家偵察局(NRO)の偵察衛星NROL-67を搭載した、アトラスV 541ロケットの打ち上げに成功した。NROL-67の正体は明らかにされておらず、過去に打ち上げられたことがない、まったく新しい衛星であると思われる。
 NROL-67を搭載したアトラスV 541は、米国東部夏時間2014年4月10日13時45分(日本時間11日2時45分)、ケープ・カナベラル空軍ステーションのSLC-41から離昇した。打ち上げの詳細も明かされておらず、どのような飛行経路を取り、どのような軌道に投入されたかは不明だが、ULA社とNROは、打ち上げは成功したと発表した。
 NROL-67はNROの偵察衛星で、NROL-67という名前は特定の衛星の種類を表すのではなく、単にNROの衛星の、67機目の打ち上げ(Launch)を意味する。ただし打ち上げの順番や数字の割り振りは前後しており、これまでに67機が打ち上げられたというわけでもない。
 その目的や衛星の形状などは公式には明らかにされていない。しかしある程度推測することはできる。
 まず打ち上げ場所が東海岸に位置するケープ・カナベラルであったことから、地球を南北に回る極軌道の衛星ではないことが分かる(極軌道衛星の場合は西海岸にあるヴァンデンバーグ空軍基地が使われる)。また打ち上げに際して出されたNOTAMは、静止軌道へ向けた打ち上げであることを示している。
 過去に、ケープ・カナベラルから打ち上げられたことがあるNROの静止衛星は、オライオン(もしくはメンター)と呼ばれる、径100mとも言われる巨大なアンテナを持つ電波傍受(SIGINT)衛星か、ヴォルテックスやレイヴン、マーキュリーと呼ばれる電波傍受衛星のシリーズ、そしてクエーサー(もしくはSDS)と呼ばれる軍事衛星専用のデータ中継衛星の3種類がある。
 これらのうち、まずオライオンは、デルタIVヘビーという巨大なロケットを使わなくてはならず、今回打ち上げに使われたアトラスV 541では打ち上げ能力が足らない。一方でクエーサーは、過去にアトラスV 401で打ち上げられたことがあり、アトラス 541を使うほどの大きさの衛星ではない。
 そもそも、NROの衛星の打ち上げでアトラスVの541構成が使われたのが今回が初めてであることから、過去に打ち上げられたことがない、まったく新しい衛星であろう。もっとも可能性として高いのは、1996年に打ち上げられたきり後継機がなかったマーキュリー、もしくはアドヴァンスド・ヴォルテックスと呼ばれる、通信傍受衛星の新型機であろう。
 アトラスVの541とは、フェアリングの直径が5m、固体ロケットブースターを4基装備し、セントールと呼ばれる上段のエンジンが1基、ということを示している。アトラスVはロッキード・マーティン社によって開発されたロケットで、打ち上げは今回で45機目となり、2007年に一度予定より低い軌道に衛星を投入してしまった以外は、安定した成功を続けている。
■:::: United launch Alliance, LLC :::: – 171
http://www.ulalaunch.com/site/pages/News.shtml#/171/

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