米航空宇宙局(NASA)は14日、新型の宇宙船オリオンの初打ち上げミッションを、今年の9月から12月へ延期させると発表した。

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オリオンは現在NASAとロッキード・マーティン社が開発中の宇宙船で、「NASAの宇宙船」としてはスペースシャトルの後継機にあたる。地球低軌道までにしか人を運べなかったスペースシャトルとは違い、オリオンはアポロ宇宙船のように月へ、そしてさらにその先の火星や小惑星へも人を運ぶことができる宇宙船として開発が進められている。

オリオンの初飛行は探検飛行試験1(Exploration Flight Test 1、EFT-1)と呼ばれ、大型の人工衛星の打ち上げに使われているデルタIVヘビーロケットに、無人のオリオンを搭載して打ち上げ、地球周回軌道を1周した後、最大高度約6,000kmにまで達する軌道を飛行、そして秒速約9kmで大気圏に再突入し、太平洋に着水する計画だ。これによって、オリオンの電子機器や耐熱システム、パラシュートなどが設計通り機能するかが試験される。

当初このEFT-1は、今年の9月18日に予定されていたが、12月の前半に延期されることとなった。その理由について、NASAは「今年打ち上げられるロケットに、より多くの機会を与えるため」としか発表していない。しかしいくつかの報道によれば、静止軌道宇宙状況認識計画(GSSAP, Geosynchronous Space Situational Awareness Program)と呼ばれる米空軍の軍事衛星の打ち上げが優先されたためであるとのことだ。GSSAPは先ごろ米空軍自身によって機密が解除され、デルタIVロケットでの打ち上げが予定されていることが明かされている。

なお、オリオン自体は、予定通り今年の9月には打ち上げができる準備が整うとのことで、計画の遅れなどではないことが明言されている。

 

■Orion Makes Testing, Integration Strides Ahead of First Launch to Space | NASA
http://www.nasa.gov/content/orion-makes-testing-integration-strides-ahead-of-first-launch-to-space-0/#.UyydUle-oWm

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