ソユーズ2-1v初打ち上げ成功 ロシアの新たな宇宙への翼

Launch of Soyuz-2-1v
Image credit: TsSKB-Progress
TsSKBプログレス社は28日、ソユーズ2-1vロケットの初打ち上げに成功した。ソユーズ、厳密にはR-7と呼ばれるロケットは、派生型をすべて含めると、これまでに1,700機以上も打ち上げられてきたが、ソユーズ2-1vは機体構造を初めて抜本的に改良した、まったく新しいロケットである。
ソユーズ2-1vは、モスクワ時間12月28日16時30分(日本時間同日21時30分)、プレセツク宇宙基地の43/4発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約1時間40分後に搭載していた超小型衛星アーイストと、2機のSKRL-756を分離し、打ち上げは成功した。
ソユーズ2-1vは名前こそソユーズではあるが、特徴的な4本のブースター(ロシアでは第1段と呼ばれる)がなくなり、また第1段(ロシアでは第2段)のメイン・エンジンがNK-33Aに換装されている。
NK-33はかつてソ連が有人月着陸を目指して開発していたN-1ロケットの第1段エンジンとして開発され、その後N-1の計画中止に伴い表舞台から姿を消したが、近年になってその技術、性能が再評価され、今回のソユーズ2-1vや、また米国のアンタレスロケットの第1段に採用されることとなった。また第1段自体の直径も太くなっている。
打ち上げ能力は軌道傾斜角62.8度(プレセツク宇宙基地の緯度と同じ)の地球低軌道に2.4t、太陽同期軌道に1.4tで、いわゆる中型ロケットに分類される。
第1段は前述のようにNK-33を1基装備し、またその周囲にはステアリング・エンジンとして、ソユーズUロケットの第3段から派生したRD-0110Rエンジンが装備されている。なおNK-33は数に限りがあり、いずれはNPOエネルゴマシュ社が開発中のRD-193エンジンに切り替わる可能性もあるとされる。
第2段にはソユーズ2-1bと同じRD-0124エンジンを持ち、さらにその上に、ヴォールガと呼ばれる上段が装備される。ヴォールガは、現在ソユーズの上段として使われているフレガートに取って代わるもので、ヤンターリと呼ばれる偵察衛星の推進部から派生したと伝えられている。ヴォールガは24時間の運用能力を持ち、また複数回の再着火が可能で、中軌道から高軌道まで、衛星を最適な軌道に、あるいは複数の衛星をそれぞれ異なる軌道に、正確に送り届けることができ、さらにその後、ヴォールガ自身がスペース・デブリにならないよう、自ら大気圏へと再突入する。
また発射台は既存のソユーズのものをそのまま使用することができる。
今回搭載された衛星のうち、アーイストはサマーラ航空宇宙大学によって開発された質量50kgほどの小型衛星で、地球の磁場の観測を目的とする。アーイストとは「こうのとり」を意味する。ソユーズ2-1vの打ち上げが当初の予定より遅れたため、アーイストの2号機が先に、今年4月に打ち上げられている。
もう一つのSKRL-756は、ロシア航空宇宙防衛軍が運用するレーダーの校正用の反射球で、今回2機が搭載されていた。
打ち上げ成功の報がロシアから出された後、米戦略軍の宇宙監視ネットワークのレーダーは、高度620 x 639kmの軌道に、新たに4個の物体が追加されたことを探知し、成功が裏付けられた。この4個はアーイストとSKRL-756が2個、そしてアダプターであるとされ、ヴォールガはすでに軌道から離脱したと思われる。
ソユーズ2-1vの今後の見通しはかなり明るく、例えば民間向けの通信衛星ガニェーツM1の打ち上げは、現在ロコットに取って代わり、今後はソユーズ2-1vが担うようになる他、ロケットと同じTsSKBプログレス社が開発している地球観測衛星アブゾールの打ち上げも同機が担う予定だ。またソユーズ2-1vのパートナーとして、英国のサリー・サテライト・テクノロジー社(SSTL)や韓国が、同機に適合した小型衛星を提供することが決まっている。
■Запуск ракеты космического назначения «Союз-2-1в» прошел в штатном режиме.Блок выведения «Волга» успешно вывел на заданную орбиту полезную нагрузку.
http://www.samspace.ru/news/press_relizy/4228/

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