静止軌道に新たに4つのデブリを発見、1968年のロケットの残骸

Transtage
Image credit: USAF
米戦略軍はこのほど、静止軌道に新たに4つのデブリを発見した。この物体にはNORADカタログ番号で39296から39299(国際衛星識別符号は1968-081AG、AH、AJ、AK)が割り振られた。
この物体は、1968年に打ち上げられたタイタンIIICロケットの上段、トランステージ(Transtage)が爆発した際の残骸であるとされる。
このタイタンIIICは、1968年9月26日、磁気圏を観測する衛星や通信技術を実証する衛星など4機の小型衛星を載せ、ケープ・カナヴェラル空軍ステーションから打ち上げられた。
トランステージというのは、当時のマーティン・マリエッタ社によって開発された上段で、エンジンの再着火が可能であり、小型の衛星を複数の軌道に送り届けられる能力を持っていた。1964年に初めて使われ、早期警戒衛星DSPなどの打ち上げで活躍したが、衛星の大型化や、スペースシャトルや慣性上段ロケット(IUS)の登場により、1989年に退役した。
くだんの打ち上げは成功したものの、衛星を軌道に送り届けた後、静止軌道の近くに留まっていたトランステージが1992年2月21日になって爆発、多数のデブリ(ゴミ)が発生した。爆発の原因はタンクの内部に残った推進剤によるものとされる。トランステージの推進剤には四酸化二窒素とエアロジン50(ヒドラジンと非対称ジメチルヒドラジンを半々で割った燃料)が使われており、この組み合わせは混ぜ合わせるだけで燃焼を始める、自己着火性を持っている。おそらくタンクや配管の腐食により、意図せず推進剤が混合され、爆発したものと考えられる。
爆発した当時、およそ20個ほどの破片が発生したことが確認されたものの、それらが正確に追跡されるようになったのは1997年からだ。その後も少しずつ破片の存在とその軌道が捕捉され、その数は1968-081Gから1968-081AFまでの実に24個に及び、今回新たに捕捉されたデブリを加えると28個にもなる。これらはどれも高度35,000km前後、傾斜角8度前後の静止軌道に近い軌道にあり、今後も長きに渡って、この軌道に留まり続けることになる。
なお近年では、打ち上げに使われたロケットは、あらかじめ残しておいた推進剤を使って逆噴射を行い、自主的に軌道を下げたり、大気圏に落とすことで、軌道に残り続けないよう配慮されている。また静止衛星も、耐用年数が近づくと運用を終了させ、スラスターで静止軌道から離脱し、別名墓場軌道と呼ばれるところへ退去するようになっている。
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