惑星探査機ボイジャー1号、ついに太陽圏外に

Voyager 1 spacecraft
Image credit: NASA
アメリカ航空宇宙局(NASA)は9月12日、惑星探査機「ボイジャー1号」が太陽圏(ヘリオスフィア)をついに脱出し、星間空間を飛行していると正式に発表した。人工の物体が星間空間に出たのは初めて。
「ボイジャー1号」は1977年9月5日に打ち上げられ、木星、土星などを探査した後、2004年12月に末端衝撃波面を通過し、2010年頃から太陽風の速度がゼロとなるヘリオポーズに達していたが、太陽風速度は常に変動するため、NASAの研究者らはデータを取得し続けていた。
「ボイジャー1号」は現在太陽から約190億km離れた所を秒速約17kmの速度で飛行している。NASAの研究者らによると、「ボイジャー1号」から届いたデータから逆算すると、「ボイジャー1号」は2012年8月頃に最初に星間空間入ったという。

太陽系と太陽圏についての解説は以下の通り。
(1)太陽系とヘリオスフィア(太陽圏)
太陽系には、範囲を最遠の惑星とする「太陽系」と、太陽風が届く範囲(100AU以上)とする「ヘリオスフィア(太陽圏)」の2つの考え方がある。太陽風とは太陽コロナから放出されるプラズマのことで、非常に早い速度を持ち、オーロラ、人工衛星の故障の原因やソーラーセイルの原動力でもある。太陽は絶え間なくこの太陽風を放出している。
(2)末端衝撃波面(Termination shock)
太陽系は銀河の中心に回っているため、太陽は四角八方へ太陽風を放出している一方、太陽系の外からは星間ガスが絶え間なく太陽系の中に注ぎ込まれている。非常に高速な太陽風がこの星間ガスと出会い、減速する境目が存在し、その場所が末端衝撃波面(Termination shock)である。
地球上で例えるなら、末端衝撃波面は川と海の境目(汽水域と呼ばれる)に似ているかもしれない。川の淡水が海に流れ込み、塩辛い海水が逆に川に流れ込み、その境目が太陽風と星間ガスが交じり合う末端衝撃波面と似ている。
(3)ヘリオシース(Heliosheath)
末端衝撃波面を超えると、太陽風は急激に減速する。ここから太陽風が消えるまでの領域をヘリオシース(Heliosheath)と呼び、減速した太陽風と星間物質や星間ガスなどが交じり合うと考えられている。
(4)ヘリオポーズ((Heliopause)
太陽から放出された太陽風が星間ガスと衝突して、完全に星間ガスが溶け込んでいる境はヘリオポーズと呼ばれている。ここが太陽圏の終端であり、太陽からここまでの領域の全体が太陽圏、つまりヘリオスフェア(Heliosphere)である。
(5)バウショック(Bow Shock)
太陽圏は銀河の中を公転しているため、ヘリオポーズの外側には、星間ガスが衝突してできた衝撃波面が存在すると考えられている。これはバウショック(Bow Shock)と呼ばれている。
写真=NASA。
■NASA Spacecraft Embarks on Historic Journey Into Interstellar Space
http://www.nasa.gov/mission_pages/voyager/voyager20130912.html

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