NASAとJAXA、プログレスによるISS損傷の可能性を認める

Progress M-19M approach to ISS
Image credit: Chris Hadfield
 NASA(アメリカ航空宇宙局)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)は6日、それぞれが公開した欧州補給機ATVの4号機アルベルト・アインシュタインに関する記事の中で、今年の4月にロシアのプログレスM-19M補給船が、アンテナの一つが展開できないまま国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングを強行した際、そのアンテナによってISSに取り付けられている部品を壊してしまった可能性があり、今月11日に予定されているプログレスM-19Mの分離時に、当該部分の撮影を予定していることを明かした。
 プログレスM-19Mが損傷させた可能性があるのは、ズヴェズダ・モジュールの後部ドッキングポートの外周部に取り付けられている3つのレーザー反射鏡のうちの1つで、ATVがISSへの接近時に使用される。ATVがISSとドッキングできるのはこの部分だけで、損傷している場合はドッキングができないことも考えられる。
 またNASAによれば、先日打ち上げられたソユーズTMA-09Mに交換用のレーザー反射鏡が搭載されており、万が一レーザー反射鏡の損傷によってATV-4がISSにドッキングできなかった場合は、6月24日に予定されている船外活動で交換することも検討されているという。
 この件はこれまで、宇宙専門紙SpaceNewsやSpaceflight nowなどが、NASA関係者による懸念の声を報じたりはしていたが、ISSに関わっている宇宙機関自身が公式に明かしたのはこれが初めてとなる。なお、一番の当事者である欧州宇宙機関は、プログレスM-19Mのドッキングに先立つ4月25日に、製造会社であるRKKエネルギヤ社から「アンテナと反射鏡との間の隙間は十分取れており問題はない」と報告を受けたことを明かしているが、その後は公には見解を明かしておらず、またロシアも同様に明かしていない。
 ただし、仮にアンテナとレーザー反射鏡が接触していたとしても、損傷までは及んでいない可能性はある。展開できなかった2ASF-VKAと呼ばれるアンテナは極めて薄いアルミニウムの皿のようなものなので、アンテナ側が凹んだだけで済んでいることは十分ありうる。
 また仮にレーザー反射鏡が壊れていても、ATV-4がドッキングできる可能性は高い。以前、ATV-2とATV-3がドッキングした際にはレーザー反射鏡の1つに問題があったことが分かっており、今年4月19に行われた船外活動で新しいものと交換されている。したがって原理上は、レーザー反射鏡が2基でもドッキングできる可能性はある。
 もし万が一、損傷がレーザー反射鏡以外に及んでいた場合は修理が困難な可能性もある。レーザー反射鏡自体は船外活動で交換できるように設計されているが、部品によっては取り外しや絶縁性などが交換を前提とした造りになっていないものもあるからだ。
■欧州補給機(ATV)によるISSへの補給フライト – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター – JAXA
http://iss.jaxa.jp/iss/flight/atv4/

関連記事

ページ上部へ戻る