プログレスM-19M、アンテナに問題を抱えたままISSとドッキング

Progress M-19M final approach to ISS
Image credit: TsUP
 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は26日、プログレスM-19M補給船の国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングを実施した。
 プログレスM-19Mを搭載したソユーズUロケットは、4月24日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。プログレスM-19Mは計画通りの軌道に乗ったが、通常なら展開されるはずのアンテナの一つが展開しないという問題が発生した。
 このアンテナは、ISSとのランデブーとドッキングを完全自動で行う、「クルス」と呼ばれるシステムで使われるものだ。プログレスには全部で5基のクルス用のアンテナがあり、打ち上げ時には折り畳まれていて軌道上で展開するようになっている。しかし今回は、そのうちの一つ、プログレスの前部にある2ASF1-M-VKA(AFS2)と呼ばれるアンテナが展開しないままとなっていしまった。ロシア側は何度か展開するようコマンドを送信したもののすべて失敗に終わった。
 アンテナが展開しないということは大きく2つの問題がある。1つ目はアンテナが使えないので目標との距離や接近速度などが正確に測れないということ、そして2つ目は、収納時の2ASF1-M-VKAが、プログレスのドッキング面に触れるか触れないかという微妙な位置にあるため、そのままドッキングするとアンテナを挟んだり、あるいはISS側の機器と接触してしまうなど、何らかの損傷を与え、ISSに滞在する宇宙飛行士の生命に関わる大事故に発展する可能性があるということだ。
 しかしロシアは予定通りドッキングを行うと発表、そして展開していない2ASF1-M-VKAからのデータを無視するようソフトウェアが改修され、またISS側から手動でプログレスを操縦できるTORUと呼ばれる別のドッキング・システムを保険として起動させつつ、クルスによるアプローチが開始された。
 さらにドッキングの手順を若干変え、ISSとの仮の結合(ソフト・ドッキング)と、完全な結合(ハード・ドッキング)との間の時間が長めに取られた。ソユーズやプログレスで使われているプローブ・アンド・ドローグ式ドッキングシステムは、ISS側が持つ漏斗状の穴(ドローグ)に向かって、プログレス側が持つ、先端の槍のような部分(プローブ)を突っ込むようにしてドッキングを行う。漏斗を伝って槍が穴へ誘導されることで、多少姿勢がずれていても、最終的にドッキングさせることができる。この槍を穴に刺し、軽く固定した状態がソフト・ドッキングと呼ばれる。次にそのプローブを引っ込めつつ、両者の距離を詰め、完全な結合にまで持って行くわけだが、この過程でアンテナが何かと干渉し、異常な音がしないかなどが慎重に見極められつつ、作業が進められた。
 クルスはアンテナが1基無い状態でも正常に作動し、日本時間21時25分、予定時刻ぴったりにISSと最初のドッキングを果たした。そしてその後も特に異常な音などは検知されず、同21時34分、プログレスM-19MはISSと完全に結合、無事にドッキングを終えた。
 これからプログレスM-19Mに搭載されている、2,366kgの補給物資の搬出作業が始まる。
■NASA – Russian Cargo Craft Docks to Space Station
http://www.nasa.gov/mission_pages/station/expeditions/expedition35/p51_dock_042613.html

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