NASA、2014会計年度予算案を発表 有人小惑星探査に焦点

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Image credit: NASA
 アメリカ航空宇宙局(NASA)は10日、2014年度会計年度における予算案を発表した。
 発表にあたり、NASAのチャールズ・ボウルデン長官は「本日、私たちはオバマ大統領によるNASAの2014会計年度における概算要求を明らかにします。この177億ドルは、この国の将来へ向けた投資となります。私たちの予算は、アメリカ合衆国が宇宙探索と科学的な発見において世界のリーダーに君臨し続けることを確実にし、そしてアメリカ人にとって利益となるよう、航空宇宙分野において大きな進歩を遂げることになるでしょう」と述べた。
 予算額は177億1500万ドルで、2013年度の要求額である177億1100万ドルと大きな差はないが、今後に向けて大きな転機となる内容となっている。
 その最たるものが小惑星を捕まえて月の軌道まで運び、有人宇宙船を送り込むというものだ。この計画には小惑星を捕獲する技術の開発に4000万ドル、電気推進エンジンの開発に3800万ドルの、合計7800万ドルが当てられた。またこれと関連して、小惑星の捜索に2000万ドルが、そして小惑星の地球衝突に備えた研究に700万ドルが当てられている。
「私たちは小惑星を見つけ、捕まえ、移動させるという世界初の計画を実施します。この計画は、新たな科学上の発見や技術の開発、そして私たちの地球を保護するのに役立つ、前例のない技術的な偉業となります。この構想はNASAの持つ科学力と技術力、そして2025年までに小惑星に人を送り込むという計画の達成に向けた有人宇宙技術、そのすべての力を結集させたものになります」。ボウルデン長官はこう強調した。
 この計画にはアメリカ宇宙協会らが賞賛の声を送る一方、下院科学委員会の議長を務める共和党のラマー・スミス下院議員は「この計画に対しては重大な熟慮を要する」と述べ、「この計画は、科学者からの評価や推奨がないばかりか、通常この手の計画が通過しなければならない精査も受けていない」と批判している。
 商業有人輸送への予算としては8億2100万ドルが上げられている。これは2012年度、13年度の予算の約2倍に相当するが、実は両年度とも、もともとは約8億ドルを要求するも、半額に削られてしまった結果であり、今回の2014年度予算でも同様に削られる可能性がある。しかしNASAは、2017年に予定されている最初の民間宇宙船による有人飛行を予定通り実施するためには、要求通り予算が通ることが不可欠としている。なおスペースX社など、宇宙企業によって構成される商業宇宙飛行連盟(Commercial Spaceflight Federation)は、この予算案に対して歓迎する声明を出している。
 一方、また外惑星探査の予算は昨年とほぼ同じレベルに留められ、2012年度の15億ドルに比べて、12億ドルにまで落ち込んだままだ。これには火星探査車キュリオシティなどの探査機の、もっともお金のかかる開発の期間が終わり、すでに運用に入っていることから、多少削っても大きな影響はないとしているが、アメリカ惑星協会など、無人の惑星探査を支持する側からは非難する声が上がっている。
 また、宇宙教育に関する予算も、13年度要求の1億3700万ドルから9400万ドルへと大幅に削られた。ただし、これはNASAの宇宙教育活動を、米教育省とより強く連携させて行うことで費用を節約できるという目論見があり、加えて教育省との連携は、オバマ大統領が進める科学、技術、工学、数学(STEM)教育の強化という方針にも合致するとされる。しかしやはり、教育・アウトリーチ活動に従事している人々からは非難の声が上がっている。
写真=NASA
■NASA – Budget Documents, Strategic Plans and Performance Reports
http://www.nasa.gov/news/budget/index.html

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