宇宙旅行者デニス・チトー氏らが設立したインスピレーション・マーズ財団(Inspiration Mars Foundation)は2月27日、2018年1月に2人の民間人を乗せた宇宙船を打ち上げ、501日間に渡る有人火星ミッションを実施すると発表した。

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発表によると、打ち上げは2018年1月5日に設定されており、228日かけて火星に接近し、その後、273日かけて地球に帰還する。火星表面から約160kmまで接近するが、着陸はしない、いわゆる有人火星自由帰還ミッションである。2018年を選んだのは、地球と火星間の自由帰還軌道が成立する機会は約15年ごとに1回しかなく、2018年を逃すと、次は2031年になるためだという。

打ち上げに使用するロケットはファルコンヘビーやデルタ4ヘビーで、宇宙船はスペースX社のドラゴン、もしくはボーイング社のCST-100やロッキード・マーチン社のオリオンを改造する。宇宙船には生命維持装置のほか、トイレから回収された尿と空気中の湿度から回収された水を飲料水にする水再生システム、約1350kgの乾燥食品や水などを搭載し、打ち上げ総重量は約10トンに達する見込み。

想定されている2名の乗組員は男女1名ずつ、狭い宇宙船でかつ長期間過ごすため、宇宙放射線の影響や精神面などを考慮すると、中年の夫婦が望ましいという。

デニス・チトー氏はアメリカの起業家で、アメリカ航空宇宙局(NASA)の反対を押し切り、ロシアのソユーズ宇宙船の座席を自費で購入し、2001年に国際宇宙ステーション(ISS)に行った世界初の宇宙旅行者。今回のミッションについても、予算が約10億ドル超えるとみられるが、NASAには資金提供を求めず、放映権やスポンサー募集などで資金を調達する。

 

■Inspiration Mars Foundation
http://inspirationmars.org/

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