ヨーロッパ南天文台(ESO)が7月15日に新たに公開した画像は、約40年前に初めて発見されたマイクロクエーサーで、わし座の方向約1万8000光年先に位置しています。「SS433」と名付けられたこの天体を撮影したのは、チリのアタカマ砂漠にあるALMA望遠鏡。この画像ではSS 433の中心に存在すると考えられているブラックホールを取り囲んでいる降着円盤から放出されるジェットを捉えています。

真っ直ぐに伸びず、揺らいでいるジェットの形状は、歳差運動という”斜めに回るコマ”のように回転する物体の回転軸が傾き、円を描くように振れる動きからなる現象によるもの(下図参照)。

これはSS 433が主星のブラックホールと伴星の巨星からなる連星系である可能性を示しており、主星が伴星の質量を奪い、降着円盤を形成。ゆっくりと軸を中心に回転しながらジェットを双方向に放出しています。このジェットの規模は太陽系の約5000倍の大きさと推測されています。

また、SS 433は超新星残骸(W50)の中にあります。これは約2万年程前にSS 433の主星が超新星爆発したことで形成された天体で、その姿はまるで海の生き物のマナティに似ている事から、2013年に「マナティ星雲」という愛称が付けられた事でも話題になりました。

超新星残骸のマナティ星雲(W50)とマナティの比較 Credit:NRAO/AUI/NSF, K. Golap, M. Goss; NASA’s Wide Field Survey Explorer (WISE).

 

Image Credit:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/K. Blundell (University of Oxford, UK), R. Laing, S. Lee & A. Richards, Ap J Letters.

A game-changer
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