ドイツのゲッティンゲン大学は6月18日、同大学のMathias Zechmeister氏をはじめとした国際研究チームの観測によって、太陽系に比較的近い恒星「Teegarden’s star(ティーガーデン星)」に地球サイズの系外惑星候補が2つ見つかったと発表しました。

ティーガーデン星は2003年に発見されたばかりの恒星で、地球からの距離はわずか12.5光年。その質量は太陽の10パーセント未満と恒星の限界に近いほど軽く、表面温度も摂氏約2700度と比較的低温の星です。

研究チームは、スペインの「カラー・アルト天文台」にある3.5m望遠鏡に設置された観測装置「CARMENES」を使い、およそ3年間に渡ってティーガーデン星の観測を実施しました。CARMENESは、ティーガーデン星のような「M型」に分類される軽い恒星の周囲をめぐる系外惑星を検出するために開発された装置です。

観測の結果、ティーガーデン星を約4.9日約11.4日の周期で公転する、2つの系外惑星の候補が発見されました。質量はどちらも地球の1.1倍以上で、いずれもティーガーデン星のハビタブルゾーン(惑星の表面に液体の水が存在しうる範囲)におさまっているという、まるで双子のような系外惑星です。

ティーガーデン星に見つかった2つの系外惑星候補(Planet BとPlanet C)は、どちらもハビタブルゾーンのなかにあります

興味深いのは、太陽系とティーガーデン星の位置関係です。西暦2044年から2496年までのおよそ450年間、ティーガーデン星から誰かが太陽系を観測すると、太陽の手前を地球が横切る「トランジット現象」を観測することができます。

恒星の手前を惑星が横切るトランジット現象の観測は、系外惑星を発見するために用いられる手法の一つです。昨年活動を停止したNASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」も、トランジット法によって多数の系外惑星を発見しました。

つまり、仮にティーガーデン星の系外惑星に何らかの知的生命体が存在していて、2044年からの450年間のどこかの時点で太陽を私たち人類と同じ手法で観測したら、地球の存在が検出されるかもしれないのです。ちなみに、この期間内では水星火星によるトランジット現象も起こるので、太陽の周りには複数の惑星が存在すると理解されることでしょう。

ティーガーデン星から見た太陽系(Solar System)のイメージ図。太陽系を「横」から見ることになるため、トランジット現象を観測することが可能

もちろん、ティーガーデン星の系外惑星に生命体が存在するかどうか、まして他の恒星におけるトランジット現象が観測できるような知的生命体がいるかどうか現時点ではまったくわかりませんし、今回発見された2つの系外惑星が確かに存在するのかについても、今後の検証が必要です。

とはいえ、この宇宙のスケールからすれば至近距離といえるほど近くに地球サイズの系外惑星が2つもあり、それが両方ともハビタブルゾーンの中に存在するとなれば、直接的な探査の対象に選ばれる可能性は十分にあります。ティーガーデン星の系外惑星に関する続報に注目したいと思います。

Image credit: University of Göttingen, Institute for Astrophysics

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文/松村武宏

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