「マーズ2020」の想像図

NASAは現在、2020年7月の打ち上げを目指して新しい火星探査車「マーズ2020」の開発を進めています。マーズ2020は2012年から活動を続けている火星探査車「キュリオシティ」の後継機という位置付けで、2021年2月に火星のジェゼロクレーターに到着する予定です。

ジェゼロクレーターには、かつて湖が存在したとされています。マーズ2020は当時の堆積物から微生物の痕跡を探したり、将来の有人火星探査に向けて火星の大気から酸素を生成する実験を行ったりすることになっています。

火星探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」が撮影したジェゼロクレーター(画像は着色済み。Credit: NASA/JPL/JHUAPL/MSSS/Brown University)

また、マーズ2020には、火星の大気中で飛行する小型の無人ヘリコプター「Mars Helicopter」が技術実証機として搭載されます。さらに、将来の探査活動で回収されることを前提に、採取した岩石や土のサンプルが保管された密閉容器を火星に地表に残すこともできるなど、これまでの探査車にはなかった特徴を備えています。

飛行する「Mars Helicopter」の想像図

NASAは5月21日、マーズ2020に搭載する個人の名前を世界中から募集するキャンペーンを始めました。集まった名前は髪の毛の1000分の1という細さの線でシリコンチップに刻まれて、来年打ち上げられるマーズ2020に搭載されて実際に火星へと送られます

筆者も早速、自分の名前を登録してみました。方法は簡単で、特設サイト「Send Your Name to Mars: Mars 2020」https://go.nasa.gov/Mars2020Pass)にアクセスして、必要な項目を入力するだけです。

入力する項目は「First Name(名)」「Last Name(姓)」「Country(国)」「Postal Code(郵便番号)」「Email(メールアドレス)」の5つ。なお、名前に日本語の漢字やかな文字は使用できず、ローマ字のみとなります。

郵便番号とメールアドレスは入力しなくても登録できるようですが、過去の応募状況を確認できる「Frequent Flyer Club」(後述)にログインするためには、応募時にメールアドレスの登録が必須となっています。

筆者の名前などを入力したところ。最後にオレンジ色の「Send my name to Mars」をクリック(タップ)すれば完了です

名前の登録が完了すると、マーズ2020への「Boarding Pass(搭乗券)」が発行されます。キュリオシティにそっくりなマーズ2020の“顔”の隣には、登録された名前(ここでは筆者の氏名)、出発地ならぬ打ち上げ地と到着地、移動手段となるアトラスVロケットの型式名や出発予定時期などが、NASAのロゴとともに記されています。搭乗券は画像としてダウンロードしたり、プリンターから印刷したりすることが可能です。

ケープカナベラル発、ジェゼロクレーター行の「マーズ2020」搭乗券

また、登録した姓とメールアドレスを使ってログインできる「Frequent Flyer Club」(日本風に言えば「マイレージクラブ」になるでしょうか)のページでは、今回のマーズ2020を含む過去の応募で獲得したポイント(飛行距離をマイルで示したもの)を確認したり、ミッションパッチの画像をダウンロードしたりできます。

ここでは、来年の実施が予定されているNASAの有人宇宙船「オリオン」と新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の無人飛行テスト「Exploration Mission-1(EM-1)」を示すと思われるグレーのアイコンも確認できます。EM-1の準備が進めば、再び名前の募集が行われるのでしょうか。

マーズ2020への名前搭載応募だけで3億1358万6649ポイントを獲得!?

マーズ2020に搭載したい名前を応募できるのは、今年の9月30日まで。火星生命の痕跡探査に火星初のヘリコプター飛行と歴史的な内容のミッションに、あなたもご自身の名前を添えてみませんか?

 

Image credit: NASA/JPL-Caltech
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-invites-public-to-submit-names-to-fly-aboard-next-mars-rover
文/松村武宏