こちらに接近している銀河の青方偏移

左上が階段の様に欠けたこの画像の天体は、地球から約6000万光年先に位置する、おとめ座の渦巻銀河「M90」です。おとめ座には、およそ1200もの銀河が集まっている「おとめ座銀河団」があり、「M90」はその銀河団に属しています。

そんな「M90」を捉えたのは、1994年から2010年といった長期間活躍した、ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ2「WFPC2」です。赤外線・紫外線・可視光の波長を重ねて1枚の画像が作られました。左上の一部が欠けて階段に黒くなっているのは、「WFPC2」の4つのカメラの内、3つが広域カメラ、1つが高倍率カメラであるため。4つの画像を合成する際、大きさを調整する必要があり、この様な特徴的な画像に仕上がります。他の天体画像でも見られる階段画像は、主に「WFPC2」で撮影されたものです。

また「M90」は地球からさほど遠くなく、天の川銀河に向かって移動している数少ない銀河。その近づいている「M90」からは光のドップラー効果である青方偏移が確認されています。ドップラーを分かりやすく例えると、救急車が近づいてくる際に聞こえるサイレンは高く短いサイクル、離れていくと太く長いサイクルで聞こえます。その現象と同じく「M90」は、近づくことで光が短波長側(青)にずれるているのです。また、遠くに見られる銀河からは逆の赤方偏移が確認されています。

この画像は2019年5月20日に公開されました。

Image Credit:ESA/Hubble & NASA, W. Sargent et al.
https://www.spacetelescope.org/images/potw1920a/

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