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4月5日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載の「衝突装置(SCI:Small Carry-on Impactor)」を用いて、小惑星「リュウグウ」の赤道付近へ人工的にクレーターを形成するための運用を実施。衝突装置は予定通り作動し、遠隔撮影を担当した分離カメラ「DCAM3」によってリュウグウの表面から舞い上がった噴出物の撮影に成功しました。

「探査機から分離した装置によって、重さ2kgの衝突体を秒速2km(時速7,200km)で撃ち出し、小惑星に命中させる」という前例のないミッション。リュウグウから飛び出した塵や岩石によって、探査機本体が損傷する恐れもあります。そのため、はやぶさ2は衝突装置の目標地点から見てリュウグウの影となるエリアまで、速やかに退避する必要がありました。

退避中のはやぶさ2からは衝突装置が作動したかどうかを確認できないため、探査機本体に代わって衝突の様子を撮影するために搭載されていたDCAM3を退避の途上で分離。衝突装置の分離から40分後、作動予定時刻にDCAM3が撮影したリュウグウの画像には円錐状に舞い上がる噴出物が写っていたことから、衝突装置は予定通り作動したものと判断されたのです。

今後は形成された人工クレーターの確認を経て、クレーター内からの試料採取を試みる2回目のタッチダウンが予定されています。人工クレーターを形成したことで、リュウグウの表面よりもさらに深く、風化の影響が少ないリュウグウの地下で眠っていた試料を手に入れられることが期待されます。

先代「はやぶさ」の経験が活かされ、ここまで順調に進んできたはやぶさ2のミッション。地球への帰還は、2020年11月~12月の予定です。

Image credit: JAXA, JAXA、神戸大、千葉工大、産業医科大、高知大、愛知東邦大、会津大、東京理科大
http://www.jaxa.jp/press/2019/04/20190405b_j.html
文/松村武宏

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