2019年の元旦にカイパーベルト天体の「ウルティマ・トゥーレ」こと「2014 MU69」に最接近した、NASAの探査機「ニューホライズンズ」。2月23日、NASAからウルティマ・トゥーレの最も高精細な画像が公開されました。

この画像は、ニューホライズンズに搭載されている光学観測機器のひとつ「LORRI」によって撮影された9枚の画像を合成したもの。最接近のわずか6分半前、ウルティマ・トゥーレから6,628km離れた位置で撮影されています。

公開された画像の1ピクセルの一辺あたりのサイズは、約33mに相当します。高精細な画像が得られたことで、これまで不明瞭だった地形の特徴も識別できるようになりました。

このときのニューホライズンズと地球との距離は、実に66億km。サウスウエスト研究所(SwRI)のAlan Stern氏によると、ウルティマ・トゥーレの接近観測は、2015年に実施されたニューホライズンズ本来の任務である冥王星の観測よりも、ずっと厳しいものだったといいます。

「カメラの視野は狭く、ウルティマ・トゥーレの一部しか撮影できないか、その姿をまったく捉えられない可能性もあった」と語るStern氏ですが、研究チームの努力によって得られた今回の成果について「Bullseye!(大当たりだ!)」と表現しています。

また、今回のリリースではLORRIによって撮影された14枚の画像をつなげた「Flying by Ultima」と題する2秒の短い動画も公開されており、ウルティマ・トゥーレの全体像がフレームにしっかりおさめられている様子が確認できます。また、NASAは以前に「ウルティマ」をパンケーキ形と例えていることから、この動画はまさに画面を横切った「空飛ぶパンケーキ」ですね。

動画を紹介するリリース内のキャプションでは、ウルティマ・トゥーレの位置が不確かであり、ニューホライズンズの速度が時速51,500kmと非常に高速であるにも関わらず撮影に成功したことを、驚くべき技術的偉業であると評価しています。

見事なタッチダウンを果たしたJAXAの「はやぶさ2」も含め、広大な深宇宙に挑む無人探査機の運用では、極めて高度で精密な技術が求められるのですね。

 

Image credit: NASA/Johns Hopkins Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute, National Optical Astronomy Observatory
https://www.nasa.gov/feature/new-horizons-spacecraft-returns-its-sharpest-views-of-ultima-thule