飛行する「オリオン」宇宙船の想像図(Credit: NASA)

NASAが製造を進めている次世代の有人宇宙船「オリオン」。有人月面探査計画「アルテミス」の最初のミッションで使用されるオリオン宇宙船が、環境試験を受けるためにフロリダ州のケネディ宇宙センターからオハイオ州の施設へと移送されました。

■世界最大の真空チャンバーで2種類の試験を実施

プラムブルック基地に向けて移送される「オリオン」宇宙船(Credit: NASA/Rad Sinyak)

オリオン宇宙船が運ばれたのは、オハイオ州にあるグレン研究センターの関連施設であるプラムブルック基地です。ここには直径100フィート(およそ30m)、高さ122フィート(およそ37m)という世界最大の真空チャンバーがあり、過酷な宇宙空間の環境を再現することができます。

真空チャンバーに運ばれたオリオン宇宙船は、まずは約60日間に渡る熱試験を受けます。この試験では宇宙空間で太陽光が当たる状況と当たらない状況を想定し、華氏マイナス250度~プラス300度(およそ摂氏マイナス150度~プラス150度)という厳しい温度条件にオリオンがさらされます。続く試験では、約14日間に渡り電子機器に対する電磁波の影響が調べられます。

環境試験をパスしたオリオン宇宙船はケネディ宇宙センターへと戻され、いよいよ太陽電池パネルなどの取り付けが始まります。その後は先日4つのエンジンすべてが搭載されたSLS最初の機体に取り付けられ、2020年に実施される予定の「アルテミス1」ミッションにおいて、月まで往復する最初の無人テストミッションに挑むことになります。

熱試験の準備を終えたプラムブルック基地の真空チャンバー(Credit: NASA)

 

関連:「アルテミス1」ミッション用のSLSコア・ステージ、4基のエンジンがすべて揃う

Image: NASA
Source: NASA 1,2
文/松村武宏

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