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この画像は太陽の表面を鮮明にとらえたものです。人間の目に見える光ではただの球のように見える太陽ですが、天文学者たちが使う太陽観測望遠鏡でクローズアップすると、時には複雑に活動している様子が見えてきます。

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画像の下部には黒点(暗い部分とその周辺部分)があり、上部には「粒状斑」と呼ばれる比較的明るい小さな構造が多数見られます。粒状斑は海外ではその形からトウモロコシの粒に例えられることがあるようですが、太陽表面に次々と出現しては消えていく動きをするため、みそ汁が沸いている様子にも例えられます。

この画像はアフリカ大陸の西に位置するカナリア諸島のラパルマ島にある望遠鏡「Swedish Solar Telescope」を使って2002年に撮影されたやや古いものですが、画像の鮮明さ(解像度)としては現在も他の望遠鏡に比べて遜色なく、現役で観測を続けています。地上の望遠鏡は地球大気の影響を受けてその画像がぼやけてしまうという欠点がありますが、「補償光学」と呼ばれる技術を使い、複数の画像を重ねるなどの画像処理を行うことによって、この高い解像度を実現しています。

この黒点は特別に大きなものではありませんが、それでも画像の一番下で暗い部分の幅は約12,000km地球がほぼまるごと入る大きさです。太陽はあまりに身近でいつも同じように空にあるように思いがちですが、こうした画像を見ると活動するひとつの星であることに驚かされます。

 

関連:太陽でも起こりうるスーパーフレア。壊滅的影響を及ぼす現象は「いつ」起こるのか

Image Credit: SST, Royal Swedish Academy of Sciences
Source: NASA
文/北越康敬

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