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20170906nhitomi
 
2016年2月17日に打ち上げられ、正常に軌道に投入されたものの後に姿勢の異常が発見され、やがて衛星の喪失が確認されたX線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」。この事故について、プログラムを担当したNECがJAXAに5億円を支払うことで調停が成立したと、読売新聞など各種報道機関が報じています。
 
ひとみは全長14m、重さ2.7トンとJAXAの科学衛星の中では最大規模で、X線を観測しブラックホールや超新星爆発など高エネルギーな天文活動の観測に役立つ予定でした。また一時的にではありますが、故障前に「銀河団における星間ガスの動き」を観測しており、その性能を発揮する直前での故障ということで、天文分野からも大きな落胆の声が寄せられていました。
 
ひとみでは姿勢制御用の誤ったプログラム(噴射データ)が送信されてしまい、姿勢を制御するつもりがますます回転を早め、自壊するという結果に至りました。このプログラムを担当したのがNECだったので、JAXAはNECに対し民事調停を申し立てていたのです。東京地裁による今回の決定にはJAXAとNECの両社が受け入れるコメントを出しています。
 
現在、ひとみは後継機のX線天文衛星を製造する計画が進んでいます。またその観測機器についてはアメリカとヨーロッパが再度製作することに合意しており、軟X線観測機器による観測が中心になるとされています。2020年の打ち上げを目指すこの後継機では、前回の失敗を乗り越えてさらなる活躍を期待したいものです。
 
Image Credit: 池下章裕、JAXA
■「ひとみ」特集サイト
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/astro_h/
■「ひとみ」分解、NECが5億円支払いで調停
http://www.yomiuri.co.jp/science/20170905-OYT1T50079.html

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