ハッブル望遠鏡、5年間の稼働延長。後継機とダブル観測目指す

20160627nhubble
 
これまでも数々の美しい天体写真を私たちに送り届けてくれたハッブル宇宙望遠鏡。すでに打ち上げから26年以上たった今でも、現役で活躍し続けています。そしてなんと、NASAはハッブル宇宙望遠鏡の活動期間を5年間延長し、2021年まで稼働させ続けるプランを発表しました。
 
ハッブル宇宙望遠鏡は1990年に打ち上げられた宇宙望遠鏡で、地上約560kmの衛星軌道上を周回しています。そして本体には直径2.4mの主鏡を備え、近赤外線、可視光線、近紫外線を大気の影響を受けない宇宙から観測することができます。同宇宙望遠鏡はこれまでさまざまな恒星や惑星を観測してきただけでなく、なんと宇宙の膨張やダークマター、ブラックホールなどにおける重要な発見もしてきたんですよ!
 
NASAは今回の延長について、「ハッブル宇宙望遠鏡は2020年代まで十分に観測を行うことができ、太陽系から外宇宙まで一般的な観測において素晴らしい成果を歴史に残すでしょう」と語っています。
 
なお、きたる2018年にはハッブル宇宙望遠鏡の後継となる「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が打ち上げられる予定です。あれ、ということはハッブル宇宙望遠鏡はお役御免では…というと、そうでもありません。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線から近赤外線を観測し宇宙の成り立ちを調べようとしているので、ハッブル宇宙望遠鏡とは観測できる波長が異なるのです。このように2つの波長による観測が行えることについて、世界の天文学者からは歓迎する声があがっています。
 
元々は打ち上げから15年しか運用されない予定だったのが、修理を重ねることにより大幅に寿命を伸ばしてきたハッブル宇宙望遠鏡。将来いつまで稼働できるのかは未知数ですが、まだまだ元気に頑張ってほしいものですね。
 
Image Credit: ESA
■NASA approves five more years for Hubble Space Telescope
https://www.newscientist.com/article/2095042-nasa-approves-five-more-years-for-hubble-space-telescope/