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20160502nren
 
先日に運用が断念されたX線天文衛星「ひとみ」は実に残念でしたが、X線天文学は今も発展を続けています。今回ESA(欧州宇宙機関)がX線観測衛星「XMM-Newton」で発見したのは、X線連星から吹き出す超高速なガス流です。
 
そもそもX線連星とは白色矮星や中性子星、ブラックホールによって成り立つ連星で、強いX線を放つことで知られています。このうち多くのX線連星は小さな中性子星やブラックホールに、大きな伴星からの質量が吸収されるという関係にあります。そしてその周囲をガスが取り巻き、ガス同士の衝突でエネルギーが上昇し強いX線や風を放つのです。
 
そしてX線連星の中には通常の100倍も明るいものがあるのですが、ケンブリッジ大学天文研究所のCiro Pinto氏はそれらのX線連星から光速の最大1/4という超高速で風が吹き出していると報告しています。また、このような現象は伴星からの非常に高速なガスの移動により起きるそうです。
 
この例外的なX線連星については、論理的に推察されているだけでその詳細はよくわかっていません。一説ではこれは太陽の1000倍程度の質量を持つ、中規模なブラックホールによるものだともいわれています。
 
Image Credit: ESA
■POWERFUL WINDS SPOTTED FROM MYSTERIOUS X-RAY BINARIES
http://m.esa.int/Our_Activities/Space_Science/Powerful_winds_spotted_from_mysterious_X-ray_binaries

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