20160324nban
 
「上には上がいる」。太陽とアルデバランやアンタレスなどの巨大恒星の圧倒的なサイズ差をみると、いつも思います。そして今回NASAが初めて観測に成功したのは、「巨大恒星(KSN 2011d)が太陽の1.3億倍の明るさで大爆発する様子」。下の動画は再現アニメーションですが、星のいたる場所で小規模な爆発が起こり、やがて一瞬のうちに大爆発を起こして膨張していく様子は必見です!
 
今回の動画はNASAのケプラー探査機が撮影しました。また、このような現象は星の「ショックブレークアウト(衝撃波脱出)」と呼ばれています。大きな恒星はその寿命を迎えるときに自分の重力に耐え切れずに「重力崩壊」をおこすのですが、その時に星の中心から衝撃波が発生します。そしてこの衝撃波が星の表面を通過する際に「明るさが激増」するとされています。これまで可視光域でのショックブレークアウトが観測されたことはありませんでした。
 
 
ケプラー探査機は3年間に渡り500以上の銀河を観測しており、ノートルダム大学は30分単位でその観測データを分析し、とうとう2011年に「太陽の300倍大きな星と500倍大きな星の大爆発」があったことを突き止めました。今回はそのうちでも「太陽の500倍大きな星(KSN 2011d)の爆発データ」の分析に成功しています。
 
動画では最初に赤色超巨星だったKSN 2011dが、やがて核融合によるコアの崩壊を起こします。このコアの崩壊によってショックブレークアウト(衝撃波脱出)が発生し、やがて星の表面まで到達します。最初はプラズマジェットが星の表面を通過し、その20分後に巨大なエネルギーのフラッシュとして星を突き抜けます。
 
なお、このような星の爆発では銀やニッケル、銅などのさまざな重い元素が周囲に撒き散らされます。さらに、私たちの体を構成する元素もこのようにして他の星からやってきた可能性があるそうです。そう考えると、私たちはロケットで宇宙に行くまでもなく、そもそも宇宙の一部だったんだ…という実感が湧いてきますね。
 
また、私たちの太陽はこのような大爆発は起こさず、膨張して赤色巨星になった後にエネルギーを失い白色矮星になるのでご安心(?)ください。
 
Image Credit: NASA
■Astronomers observe the bright flash from a star’s explosion for the first time
http://www.theverge.com/2016/3/22/11284454/nasa-supernova-explosion-shockwave-flash-kepler-video-watch