スペースX社は3月1日、この日予定していた通信衛星「SES-9」を搭載した「ファルコン9」ロケットの打ち上げについて、現地時間4日(日本時間5日)以降へ延期すると発表した。

延期の理由について同社は、上空の高いところで、風向や風速が大きく異なっているウインドシアという現象が起き、打ち上げが可能な許容限度を超えているためだと説明。予報では現地時間3日までこの現象が続く見込みとされ、次に打ち上げが可能になるのは最短でも現地時間4日(日本時間5日)以降になるとしている。

今回の打ち上げは当初2月25日に予定されていたが、打ち上げ約30分前に打ち上げ成功を確実なものとするため、推進剤の液体酸素をより冷やすことを決定したとして延期された。翌26日に再挑戦されたが、今度は1分41秒前で、液体酸素をロケットに充填する作業で問題が発生したとして再度延期。2月29日には、打ち上げに伴う立ち入り禁止海域にボートが侵入したことで打ち上げが遅れ、推進剤の液体酸素の温度が上がってしまったために、3度目となる打ち上げ延期が決定された。

ファルコン9(ファルコン9フル・スラスト)は、推進剤の液体酸素とケロシンを通常よりさらに冷却し、密度を高めて搭載量を増やすことで、旧型機よりも打ち上げ能力を向上させている。反面、超低温の液体酸素の取り扱いは難しいという欠点があり、今回を除くこれら3度の打ち上げ延期の原因は、すべてこの液体酸素に起因するものとなっている。

今回の打ち上げでは、通信衛星「SES-9」をスーパーシンクロナス・トランスファー軌道という、静止衛星の打ち上げで使われる、いくつかある軌道のうちのひとつに打ち上げる。

また、前回に引き続き、打ち上げ後のロケットの第1段機体を海上の船に降ろし、回収する試験も行われる。しかし、今回はロケットの飛行経路の問題で回収は難しいとみられており、スペースX社は自ら「成功する見込みはない」と明らかにしている。

スペースX社はロケットの低コスト化を狙い、打ち上げたロケットを回収し、再使用するための開発や試験を数年前から続けている。昨年末にはロケットを発射台に程近い陸上に着陸させることに成功しているが、それと並行し、ロケットを陸まで戻せない場合に、飛行経路の下にある洋上に浮かべた船の上に着地させて回収する試験も行っている。

船での回収は昨年1月と4月、そして今年1月にも行われているが、船の上空までに降りてくることはできたものの、甲板に激突、あるいは着地後に転倒するなどして機体が大きく破壊されており、完全な成功には至っていない。

Image Credit: SpaceX

■SES-9 MISSION | SpaceX
http://www.spacex.com/webcast

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