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ことし7月、史上初となる、冥王星の接近観測に成功した「ニュー・ホライズンズ」が、次に探査をする天体の候補が選定された。米航空宇宙局(NASA)が8月29日に発表した。

候補地は、海王星の軌道より外側の、黄道面に広がるエッジワース・カイパーベルト天体のうちのひとつ、「2014 MU69」と呼ばれる天体である。また、「ターゲット候補1」を意味するPotential Target 1(PT1)とも呼ばれている。

2014 MU69は2014年に「ハッブル」宇宙望遠鏡によって発見された。太陽から約66億kmの距離の軌道をまわっており、冥王星からは約16億kmほど離れた位置にある。

大きさは45kmほどで、これは冥王星の1%未満、あるいは欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ロゼッタ」と「フィラエ」が探査した「チュリュモフ・ゲラシメンコ」彗星の10倍ほどにあたる。姿かたちについては不明だが、おそらく地球や火星、冥王星のような球体ではないだろうと見られている。また、火星と木星の間にある小惑星帯の小惑星よりも、太陽光があたる量が少ないため、太陽系が誕生した約46億年前のときの姿を、ほぼそのまま保っているとも見られている。

冥王星の観測と同様に、天体のまわりを回る軌道には入れないため、近くを通過して観測する「フライバイ観測」となる。

最接近は2019年1月1日に予定されている。また、ことしの10月末から11月はじめにかけて、2014 MU69に向かうコースに乗るため、計4回からなる軌道修正が施されることになっている

ただし、現時点ではまだ、2014 MU69に向かうことが正式に決まったわけではない。ニュー・ホライズンズが冥王星の探査を終えたあともミッションを継続し、さらに別の天体を探査するかどうかが、まだ決定されていないためだ。

NASAの予算は限られており、今後コース修正をしたにもかかわらず、冥王星の探査の成功をもって運用の終了が決定され、別の宇宙探査ミッションに予算が振り分けられる可能性もないわけではない。

現在、その決定は2016年に下されることになっている。

ニュー・ホライズンズの、冥王星の次の目的地を探す試みは、2011年から行われていた。エッジワース・カイパーベルトには多くの天体が発見されているが、ニュー・ホライズンズの能力で到達できるかどうかとなるとまた話は別で、捜索は難航した。

ニュー・ホライズンズのチームは最終的に、これまでに2014 MU69を含む、2つの天体を候補地を選んだ。もうひとつの天体は、2014 MU69よりも大きいものの、検討の結果、その天体へ向かうには、より多くのエンジン噴射が必要だったことから、最終的に2014 MU69が選ばれた。

ニュー・ホライズンズは2006年に打ち上げられ、9年間にわたって宇宙を航行し続けたのち、ことし7月14日に冥王星と衛星カロンに最接近し、観測に成功した。現在はその観測データを地球に送信しつつ、飛行を続けている。探査機と地球との距離が遠く、また通信速度も遅いことから、すべての観測データを送り終えるには、2016年の後半までかかるという。

2014 MU69の探査を行った後は、ヴォイジャー1のように太陽圏を抜け、星間空間へ飛び出す予定となっている。

写真=NASA。

■NASA’s New Horizons Team Selects Potential Kuiper Belt Flyby Target | NASA
https://www.nasa.gov/feature/nasa-s-new-horizons-team-selects-potential-kuiper-belt-flyby-target

Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute/Steve Gribben

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