「こうのとり」5号機、大気圏への再突入を完了 全ミッションを完遂

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国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を送り届けた「こうのとり」5号機が、2015年9月30日の早朝、大気圏に再突入した。これにより約42日間にわたるミッションはすべて完了した。

「こうのとり」5号機は9月29日1時53分、ISSから放出され、単独で飛行を続けていた。そして29日23時7分、30日0時38分、5時8分の3回にわけて、軌道離脱のためのエンジン噴射をおこない、5時33分に大気圏に再突入した。

機体の大半は燃え尽きたと見られ、また燃え残った破片も5時47分ごろから6時13分ごろにかけての間に、太平洋上の安全な海域に着水したものと見られている。また機内には、ISSで発生したゴミが搭載されていたが、これらも機体といっしょに処分された。

これにより、「こうのとり」5号機の約42日間にわたるミッションはすべて完了したことになる。

今後、10月1日にはロシアの「プログレスM-29M」補給船が、また12月には「シグナス」補給船運用4号機の打ち上げが予定されており、「こうのとり」同様にISSへの物資補給をおこなう。そして2016年度には、「こうのとり」の6号機の打ち上げも計画されている。

●「こうのとり」5号機

「こうのとり」5号機は8月19日に打ち上げられ、24日にISSに到着した。そして搭載されていた補給物資が取り出され、ISSへの補給が行われた。また、その一方でISSで発生したゴミや、不要になった実験機器などが積み込まれている。

「こうのとり」(HTV)は無人の補給船で、ISSに水や食料品、生活用品、そして実験機器やISSの予備部品などの物資を輸送することを目的に開発された。打ち上げ時の質量は約16.5トンで、最大で約6トンの物資を搭載することができる。

今回の5号機には合計で5.5トンの物資が搭載されており、そのおよそ3分の1が飲料水や食料品、もう3分の1がISSで使われている部品の補給品、そして残りの3分の1を実験機器が占めている。

「こうのとり」は、1気圧に保たれた「与圧部」と、宇宙空間に曝け出された「非与圧部」の、2か所の異なる貨物の搭載区画を持っており、与圧部には飲料水や食料品、日用品や実験パレットを、非与圧部にはISSの船外に設置する、部品や、大型の実験機器や観測機器などを搭載することできるようになっている。

「こうのとり」5号機は、H-IIBロケット5号機に搭載され、2015年8月19日20時50分49秒に、種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは順調に飛行を続け、打ち上げから15分後に分離され、予定通りの軌道に入った。

その後、計4回の軌道修正を行いつつISSに接近し、8月24日の19時29分に、ISS滞在中の油井亀美也(ゆい・きみや)が操作するロボット・アームによってキャプチャー(把持)された。そして、ロボット・アームによってISSの「ハーモニー」モジュール(ノード2)まで運ばれ、24日23時58分には16本のボルトによって接続され、取り付け作業が完了した。

続いて「こうのとり」とハーモニーとの間の気圧が調節された後、電力と通信を送るケーブルが接続され、25日2時28分に結合が完了。19時24分にハッチが開かれ、宇宙飛行士が船外へ入り、補給物資の運び出し作業が始まった。また25日の昼間には、船外の非与圧部に積まれていた暴露パレットの引き出し作業も行われている。

その後も物資の搬出を行いつつ、その一方でISSで発生したゴミや、不要になった実験装置などが運び込まれた。

「こうのとり」5号機は1か月以上にわたってISSに係留された後、9月28日0時29分にISSとの間のハッチが閉じられ、20時12分ごろには両者をつなぎ止めていた固定金具がすべて解除された。そして油井宇宙飛行士が操作するロボット・アームによって、「こうのとり」5号機はISSから分離された。

その後、放出地点まで運ばれ、29日1時53分、南太平洋の上空で、「こうのとり」5号機はロボット・アームから放出された。当初、放出は29日0時20分に予定されていたが、ロボット・アームが緊急停止したことで、その対応のため延期された。これによる「こうのとり」5号機やISSの機能に影響は出ていない。

写真=NASA。

Image Credit: NASA

 

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