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ロシア航空宇宙軍は2015年9月24日、軍事衛星「コースマス2507」、「2508」、「2509」の3機を搭載した、ロコット(ローカト)・ロケットの打ち上げに成功した。この3機は軍用の通信衛星と見られている。

ロケットはモスクワ時間2015年9月24日1時ちょうど(日本時間2015年9月24日7時ちょうど)、プレセーツク宇宙基地の133/3発射台から離昇した。その後、ロシア航空宇宙軍は、打ち上げは成功したと発表。搭載していた衛星は3機で、それぞれ「コースマス2507」、「2508」、「2509」という番号が与えられた。

また、米軍の宇宙監視ネットワークも、この打ち上げによって衛星が軌道に乗ったことを確認している。捕捉された物体は4つで、そのうち3つは高度約1500km、軌道傾斜角82.5度の円軌道に、1つは高度1178km x 1504km、軌道傾斜角82.5度の軌道に乗っている。最後の1つはおそらくロケットの最終段「ブリーズKM」で、高度が低いのは、早期に大気圏に落として処分するために、衛星分離後に軌道を下げたためと考えられる。

この3機の衛星の正体は、「ラドニークS」、もしくは「ストリラー3M」と呼ばれる、軍用の衛星であると思われる。ラドニークSはISSレシェトニェーフ社によって製造されており、軍や政府機関の通信に利用される。ただ、直接通信を中継するのではなく、ストア&フォワードと呼ばれる、発信者から送信されたデータを一旦衛星内で保管し、受信者のアンテナの可視範囲に差し掛かった際にデータを降ろすという方式が採られている。ちなみにラドニークとは「泉」、ストリラーは「矢」という意味である。

衛星の質量は1機あたり225kgほどで、これまで打ち上げられた衛星は高度約1500km、軌道傾斜角82.6度の円軌道に入っている。今回打ち上げられた衛星も同様の軌道に入っていることから、今回の衛星がラドニークSであることと、打ち上げが成功したことの両方が裏付けられたことになる。

また、民間向けに同様のサービスを提供する衛星として「ガニェーツM」が運用されており、ラドニークとガニェーツの両者はほとんど同じ衛星であるとされる。

ロコットは大陸間弾道ミサイルのUR-100N UTTHを基に、衛星打ち上げ機として開発されたロケットである。弾道飛行の試験を含めると、今日までに27機が打ち上げられており、そのうち衛星を予定の軌道に投入できなかったなどの明確な失敗を2回起こしている。また2013年1月の打ち上げでは、衛星分離後に実施されるブリーズKMの軌道離脱噴ができないという問題を起こしている。

また、ここ最近のロコットを使った衛星の打ち上げでは、確認されているだけでも3回、公表されていない未知の衛星が軌道に投入されている。ロコットの打ち上げ能力からして、その物体の質量は50kgほどと考えられ、さらにその物体は電波を発信しており、上段のブリーズKMに対して近付いたり離れたりする動きを見せているなど、何らかの意図を持って運用されている人工衛星であることは間違いない。しかし、ロシアが何の目的でこの衛星を運用しているのか、またその姿かたちや性能などについては一切明らかにされていない。

今回の打ち上げでは、この物体は確認されていないことから、搭載はされなかったものと見られる。

■Воздушно-космические силы провели успешный пуск ракеты-носителя «Рокот» с космодрома Плесецк : Министерство обороны Российской Федерации
http://stat.function.mil.ru/news_page/country/more.htm?id=12058483@egNews

Image Credit: Ministry of Defence of the Russian Federation

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