「長征三号乙」ロケット、航法衛星「北斗I-2S」の打ち上げに成功

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中華人民共和国(中国)は2015年9月30日、航法衛星「北斗I-2S」を載せた、「長征三号乙」ロケットの打ち上げに成功した。この成功で、軌道に打ち上げられた北斗は20機に、また北斗三号シリーズの衛星の打ち上げは4機目となった。

ロケットは中国標準時2015年9月30日7時13分(日本時間2015年9月30日8時13分)、四川省にある西昌衛星発射センターの3号発射台から離昇した。中国政府や国営メディアは、その約1時間半後に「打ち上げは成功した」との声明を発表している。搭載されていたのは、いくつかの種類がある北斗衛星のうち、傾斜地球同期軌道に配備される衛星だったとされる。

また米軍の宇宙監視ネットワークも、この打ち上げによって生じたと思われる人工衛星を検地している。公開された軌道のデータから、衛星は高度192km x 3万5827km、軌道傾斜角55.0度の傾斜地球同期軌道に乗っていることが確認でき、打ち上げ成功が裏付けられている。​

北斗は、米国のGPSやロシアのGLONASS、欧州のガリレオのように、人工衛星を使って世界のどこでも正確な位置や時刻を知ることができるシステムで、すでに2012年からは中国周辺限定ではサーヴィスが始まっており、現在は全世界での即位に向けて、さらに衛星の打ち上げが進められている最中にある。

民間向けと中国人民解放軍向けで異なる電波を出しており、民間向けの測位精度は10mほどとされる。軍向けの精度はより高いと思われるが、数値は明らかにされていない。

システムを構成する衛星は、高度約2万1500km、軌道傾斜角約55度の中軌道と、高度約3万5800km、軌道傾斜角約55度の傾斜対地同期軌道、そして高度約3万5800km、軌道傾斜角約0度の静止軌道の、大きく3種類の軌道に配備される。今回打ち上げられた衛星は傾斜対地同期軌道に投入されている。

今後、2020年までに中軌道に27機、静止軌道に5機、傾斜対地同期軌道に3機の、計35機が配備され、全世界での測位が可能となる予定となっている。

今回打ち上げられた北斗I-2Sは、北斗システムを構成する衛星の20機目にあたる。衛星の世代としては第3世代(北斗三号とも呼ばれる)にあたり、第2世代機では、中軌道衛星と傾斜対地同期軌道衛星は同じ設計のものが用いられていたが、第3世代機では中軌道、傾斜対地同期軌道、静止軌道のすべてで異なる設計が採用されている。

今回の衛星は、傾斜対地同期軌道に打ち上げられた第3世代機としては2機目にあたる。1機目の「北斗I1-S」は今年の3月30日に打ち上げられているが、このときは打ち上げ時の質量が850kgほどの、中型衛星であったと見られている。しかし、今回打ち上げられた衛星は、ロケットの打ち上げ能力から見て、4トン以上はある大型の衛星であると推測される。なぜ、傾斜対地同期軌道向けの衛星が2種類あるのかは不明である。

前回打ち上げられた北斗I1-Sを製造したのは中国科学院(CAS)で、今回の北斗I2-Sは中国航天科技集団公司が製造したとされる。そのため、どちらかが主導権を取るため、あるいは競争によるコストダウンを狙って、競作がおこなわれている可能性がある。今後、どちらかに一本化されるのか、あるいは両社が別々の衛星を造り続けるのか、その動向が注目される。

■长三乙精准投送第4颗新一代北斗导航卫星_中国航天科技集团公司
http://www.spacechina.com/n25/n144/n206/n214/c1041865/content.html

Image Credit: 中央政府门户网站

 

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