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ロシアのプーチン大統領は2015年10月14日、ヴァストーチュヌィ宇宙基地からの最初のロケットの打ち上げを延期すると表明した。当初、打ち上げは今年12月に予定されていたが、4か月遅れの2016年4月ごろを新しい目処にするという。

ヴァストーチュヌィ宇宙基地は、ロシア極東のアムール州で建設が進められている新しい宇宙基地で、2011年から建設が始まり、2015年中にソユーズ・ロケット用の発射施設のみが完成、そして2018年に全体が完成する予定とされていた。

しかし、かねてより建設の遅れが続いており、また今年の春ごろには、建設会社による資金の横領や、作業員への賃金の未払いと、それに伴うストライキが起きているなど、さまざまな問題が発生していることが報じられていた。

これを受けプーチン大統領は、14日に同基地を視察し、その後行われた会議において、今年12月の打ち上げ予定を取り止め、2016年4月ごろまで延期することを指示した。

会議の中でプーチン大統領は「完成期限を守ることよりも、施設の品質のほうが重要」と述べ、また新しい打ち上げ時期については「ユーリィ・ガガーリンが宇宙飛行に成功した4月12日までに実現できることが望ましい」と述べた。

これに対し、ロシアの宇宙政策を担当するドミートリィ・ロゴージン副首相は「わかりました。4月の中旬までにはできるでしょう」と答えるも、プーチン大統領は「絶対に4月までに、というわけではない。繰り返すが、4月までというのは絶対の期限ではない。最適な期限がいつなのか、見積もりを出し、私に伝えなさい」と応じ、時期は重要ではないことを強調した。

●ヴァストーチュヌィ宇宙基地

ヴァストーチュヌィ宇宙基地の建設は2011年から始まり、2018年の完成を目指している。ロケットの打ち上げ場としてだけではなく、宇宙飛行士の訓練センターや空港、ロケット推進剤の製造工場など、多くの機能をもつ施設になるとされる。

完成後はカザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の能力を引き継ぎ、静止衛星や有人宇宙船の打ち上げ場所として使うことが計画されている。

バイコヌール宇宙基地はもともとソヴィエト連邦内にあったが、ソ連崩壊後はカザフスタン共和国のものになり、ロシアはバイコヌール宇宙基地を引き続き利用するため、カザフスタンに対して年間100億円以上もの賃料を払い続けている。

ヴァストーチュヌィ宇宙基地が完成すれば、カザフスタンに依存することなくロケットの打ち上げが可能となる。ただ、バイコヌール宇宙基地からの完全な撤退がいつになるかはまだ未定である。

現在は、ソユーズ2ロケット用の発射施設の建設が優先して進められており、遅れを出しつつも発射台や組立棟、整備塔などが完成しつつある。

また9月24日には、初打ち上げに使われるソユーズ2.1aロケットが、製造工場から同基地に到着している。しかし、基地内の組み立て施設への搬入は10月9日まで遅れ、ロシアのイズヴェスチヤ紙によると、このときまだ施設が完成していなかったことからロケットの受け入れができず、ヴァストーチュヌィ宇宙基地に隣接する鉄道駅で保管されていたと報じている。実際、このころにインターネット上に出回った基地内部の写真から、ロケット組立棟や発射台が未完成であることがわかっている。

さらにザ・モスクワ・タイムズは10月2日付けで、「設計ミスによって建物の寸法が小さく造られてしまったため、ロケットの受け入れや組み立てができない状況にある」とも報じており、12月の打ち上げが難しいのではないかということは以前から指摘されていた。

■Совещание по развитию космодрома Восточный • Президент России
http://kremlin.ru/events/president/news/50500

Image Credit: kremlin

 

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