宇宙重力波望遠鏡の実証機「LISAパスファインダー」、発射場に到着

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宇宙重力波望遠鏡の実証機「LISAパスファインダー」が2015年10月8日、打ち上げが行われる南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターに到着した。LISAパスファインダーは低周波の重力波を検出する宇宙望遠鏡の実現を目指した技術実証機で、12月2日に「ヴェガ」ロケットで打ち上げられる予定となっている。

LISAパスファインダーを載せたAn-124輸送機はこの日の朝、ギアナ宇宙センター近くの空港に着陸した。これから「ヴェガ」ロケットへの搭載や試験などが始まり、打ち上げに向けた準備が続く。

LISAパスファインダーは、重力波を検出する宇宙望遠鏡「eLISA」を実現するために必要な、新しい技術や装置の実証試験をするために、欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)によって開発された。eLISAには多くの先進的な技術が使われることから、LISAパスファインダーの成果が、eLISAの実現にとって必要不可欠となっている。

現在のところ、eLISAは2030年代の完成、打ち上げが予定されている。

LISAパスファインダーは衛星本体と推進モジュールの2つの部分から構成されており、打ち上げ時の質量は1900kg、そのうち衛星は480kg、推進モジュールは1420kgを占めている。製造はエアバス・ディフェンス&スペース社が担当している。

LISAパスファインダーはヴェガで打ち上げられた後、まず地球低軌道に入り、その後自身の推進モジュールを使い、地球から約150万km離れた、太陽・地球間のラグランジュ第1点に移動する。運用期間は1年が予定されている。

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重力波は、時空が振動し、光の速度で伝播する現象のことで、別名「時空のさざ波」とも呼ばれている。

重力波は質量をもった物体が加速度運動することで放射されるが、観測できるほどの大きな重力波を出すには、大きな質量をもつ物体である必要があり、たとえば中性子星やブラックホール、白色矮星などの公転や、それら同士の衝突、あるいは超新星爆発といった現象が、観測できるほど大きな重力波の発生源として挙げられる。

重力波の存在は、1916年にアインシュタインが発表した一般相対性理論の中で予言された。これまでに中性子星連星の軌道の変化を観測することによって、間接的にその証明がされているが、直接観測に成功した例は無い。もし重力波の直接観測に成功すれば、一般相対性理論の正しさが再び証明されると同時に、重力波によって宇宙を観測する「重力波天文学」という分野が生まれ、これまでとは違った目で宇宙を観測できると期待されている。

重力波の検出を目指して、これまで地上にレーザー干渉計という装置を置いた観測が、日本を含む世界各地で行われている。しかし、地上に置いた装置では低い周波数の重力波を検出することは難しいため、装置を宇宙空間に置くことが考案され、ESAとNASAは共同でeLISAの開発を進めている。

また日本でも、「DECIGO」と呼ばれる宇宙重力波望遠鏡の検討が進められている。

■Arianespace – Mission Update – LISA Pathfinder takes a major step closer to launch with its arrival at the Spaceport in French Guiana
http://www.arianespace.com/news-mission-update/2015/1354.asp

Image Credit: Arianespace

 

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