JAXA、「だいち2号」が撮影した地球全域の森林マップを公開―温暖化対策への貢献に期待

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月28日、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)が収集したデータを用いて25m分解能の地球全域の森林マップを開発したと発表した。同マップは同日から無償で公開が始まっている。

近年、熱帯域・亜寒帯域では森林減少が進行しており地球温暖化の一因となっている。そのため、国連や各国の政府機関でも、森林面積の把握や保全は、温暖化対策の政策決定のための重要な取組みとして位置付けられている。

JAXAの「だいち2号」搭載Lバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)は、高い感度と分解能をもち、また森林(自然林)の有無や森林の土地利用状況などの観測に適した長い波長(約24cm)の電波を用いており、さらに天候や昼夜によらず観測ができるため、1年の多くが曇で覆われる熱帯域での森林観測に特に適した性能をもっている。

JAXAでは、前号機の「だいち」(ALOS)搭載のPALSARを用いて、2008年から2010年までの間にも森林面積の観測画像を提供し、その画像はブラジル政府機関によるアマゾンの熱帯雨林における違法伐採監視のためなどに利用された。しかし、2011年に「だいち」の運用が終了したことにより、それ以降は同衛星による監視を行うことができない状態が続いていた。

JAXAでは、森林分布の把握を通じて地球温暖化対策に貢献すべく、今後は「だいち2号」による全球森林マップを年1回の頻度で提供する予定だという。

JAXAによると、本データにより森林の空間的・時間的変化から全世界の場所毎の森林の減少・増大の傾向を把握することができるため、各国の政府機関等によりどの地域を重点的に監視・保全していくかといった森林保全計画に利用されることが考えられるとしている。

また、昨年パリで開催されたCOP21で掲げられた温暖化抑制の目標を達成するためには、CO2の重要な吸収源である森林を地球規模で把握・保全することが重要となっており、この課題に応えるために、JAXAでは国際協力機構(JICA)と協力し、来年度から「森林変化検出システム」を構築し、全世界に向けて熱帯林の高頻度変化情報を発信していく計画だという。「だいち2号」の全球森林マップのデータは、この基本情報としても使用される予定となっている。

Image Credit: JAXA

■JAXA | 「だいち2号」による全球森林マップの公開について~森林面積把握により、温暖化対策に貢献~
http://www.jaxa.jp/press/2016/01/20160128_daichi2_j.html

関連記事

ページ上部へ戻る