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スウェーデンやカナダなど、北極周辺でよく観察される「オーロラ」。一生に一度は見たいと思っている方も多いでしょう。地球で見られるオーロラもすさまじいスケールですが、一方木星では「地球の100倍以上明るい巨大オーロラ」が発生していると考えられています。今回、JAXAの惑星分光観測衛星「ひさき」はNASAのチャンドラX線望遠鏡やESAのXMMニュートンと協力し、「木星のX線オーロラの発生メカニズム」の一部を解き明かしてくれました。

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まず木星は直径が地球の11倍も大きく、また地球の14倍もの強力な「磁場」を持っています。この強力な磁場のおかげで、木星には大規模なオーロラが発生します。また地球の場合、オーロラは太陽から吹き付ける「太陽風」と呼ばれるプラズマが地球の磁場と影響しあい、プラズマが加速され地球の大気と衝突することによって発生すると考えられています。

今回観測されたのは「X線領域で輝くオーロラ(X線オーロラ)」です。このオーロラは木星の衛星「イオ」から供給される酸素や硫黄のイオンが木星大気に衝突して発生していると考えられますが、どのようにしてそれらのイオンが光速まで加速されているのかが今までわかっていませんでした。

しかし今回の観測の結果、「太陽風の速度と木星オーロラの強度が関連」しており、「イオンが太陽風の影響で加速され発生している可能性が高い」ことが判明しました。つまり、地球と同じく太陽風が木星のX線オーロラの発生に影響していることが期待されるのです。

なお、木星のオーロラは上のイラストのように、木星大気の水素イオンのおかげで「ピンク色」なんだそうです。木星のオーロラ…この目で実際に見られる日はくるのかな?

 

Image Credit: JAXA
Source: JAXA
文/塚本直樹

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