
sorae編集部では以前に「夏の課題にドローンを作ろう。簡単にできる自作動画が公開」で、自作ドローン動画を紹介しました。
今回は、パーツについての問い合わせを頂いたことを踏まえ、自作小型ドローンの制作について必要なパーツや注意事項を解説していきます。パーツを使った組み方に関しては、前回の記事を参照してください。
まずは動画を参考に、自作小型ドローンに必要な部品をおさらいします。
・プラスチックシート | 本体外装部分です。硬く軽い素材でパーツが固定できればプラスチックシートでなくてもかまいません。 |
・ハンダとハンダごて | 配線と基板をハンダ付けする際に使用します。 |
・ホットボンド(グルー) | 基板の固定や漏電防止、外装の組み立てなどに使用します。グルーはグルースティック、工具はグルーガンとして販売されています。 |
・モーター (CWx2、CCWx2) |
プロペラを回すモーター。CWは時計回り、CCWは反時計回り。 |
・プロペラ 4枚+α | プロペラは紛失しやすいので充分に予備分も用意しましょう。こちらもCW用CCW用が2枚ずつ1セットです |
・トランスミッター (コントローラー) |
操作コントローラーです。 |
・レシーバー基板 | 受信基板です。トランスミッターと無線接続します。 |
・3.7Vバッテリー | 軽量小型の小容量バッテリーです。 |
・USB充電ケーブル | バッテリーの充電時に利用します。 |
100円ショップで手に入る部材
「プラスチックシート」「ハンダ」「グルースティック」は、100円ショップで入手可能で比較的安価に揃えることができます。また、工具の「ハンダごて」「グルーガン」に関してもダイソーで販売されており、ホームセンターで本格的な物を揃える必要はありません。
(※ダイソーでは「ハンダごて500円」「グルーガン200円」でした)
また、他の重要な部品である「モーター」「プロペラ」「USBケーブル」などは、ホビードローンのパーツ単位を1点から購入できる中国の通販サイト「banggood」の部品を参照しています。
モーターとプロペラ(CWx2、CCWx2)
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自作動画では、2種類4個の部品で構成された「モーター」「プロペラ」が用いられています。
時計回りのCW(clockwise)と反時計回りのCCW(counter-clockwise)を各2個、合計4個を対角線上に設置することで4つのプロペラで安定した浮力を実現します。
また、モーターの軸とプロペラの装着感が緩くうまく回転しない場合は、軸の先にグルーガンで温めたグルーをなぞる程度塗り、プロペラを差し込んで固定します。それでも不安な場合は、プロペラを装着後、根本にハードレジン(紫外線で凝固する液体ボンド)を塗って固定します。ハードレジンは、ペンチやニッパーなどで力を加えることで簡単に割れますので、根本の固定だけであれば十分な補助固定効果を期待できます。
また、モーターの種類により「赤白の配線ケーブルがCW」「赤黒の配線ケーブルはCCW」など、配線が決まっていますので、装着する際は必ず確認してください。
トランスミッター&レシーバー
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また、トランスミッターとレシーバーという電波を送信・受信する通信機器に関しては日本国内の電波法に予め触れておく必要があります。
日本国内における電波法では電波を用いた通信機器の利用に関して、適正な通信機器である検査を受けたマークの「技適マーク」が必要です。「技適マーク」のない通勤機器を利用し問題が発生した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の対象になる恐れがあります。しかも、マークを取得していないメーカー側ではなく、使用するユーザーが対象となりますので注意してください。
しかし、日本国内で販売されている海外製のホビードローンの場合、「技適マーク」についていない商品が多く、取得しているか否かはメーカーに問い合わせる他ありません。
また、様々な情報サイトでは「5.8GHz帯は日本国内使用はNG、2.4GHz帯を利用すれば問題ない」との記載も見られますが、2.4GHz帯であっても通信機に分類されるもの全てに応じて「技適マーク」が必要になります。
もしも海外からトランスミッターやレシーバー、または部品取り用にホビードローンを輸入される場合は自己責任であることを予め理解しておきましょう。
フレームのカスタマイズする
「プラスチックシートで本体外装を制作するのはちょっと抵抗がある」「今持っているホビードローンを改造したい」という方の場合は、ブランクフレームを入手してパーツを組み合わせる方法もお勧めです。フレーム単体の商品は一般的な物が数百円〜で手に入りますので、こちらを利用すると一気に難易度が下がりますね。
また、販売されているパーツの中には、GoProタイプのカメラを搭載できるアタッチメントも販売されているなど、様々な方法でドローンをカスタマイズすることが可能です。
3.5Vバッテリー
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バッテリーを輸入する場合は航空関係の輸送の問題もあり、数週間〜1ヶ月程度の時間がかかることがあります。
バッテリー内蔵の機器とバッテリー単体では輸送方法が異なるため、日本へ輸入するルートがある程度決まっています。例えば、中国からバッテリー単体を輸入する場合は、ほとんどの場合がマレーシアを経由して日本に到着することが多く、中国とマレーシア間で思った以上の時間を要します。
バッテリーを輸入する場合はある程度時間の余裕をもちましょう。
USB充電ケーブル
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バッテリーの端子に合わせた充電ケーブルが必要になります。
一般的なホビードローン用の充電ケーブルの場合、スマホ用の充電ケーブルとは異なり、コストを重視した安価な素材によるケーブルが使用されている事がほとんどです。頻繁に充電する設計でないため、劣化や断線のことを考え予備分も用意した方が良さそうです。
また、充電ケーブル自体の仕組みは簡単なので、電子部品屋などでソケット単体と一般的なUSBケーブルを用いて自作することも可能です。
今回紹介したドローン用パーツ以外にも「banggood」では、天体望遠鏡の本体やスマホ連動アタッチメント、スマートフォンをはじめとするスマートデバイスといった様々なガジェットを取り扱っています。通販カタログの様に商品を眺めるのも意外に面白いものですね。
Image Credit:sorae編集部(協力:DAISO)
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