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ケネディ宇宙センターのロケット組立棟(VAB)で撮影された新型ロケット「SLS」初号機。ロールアウトに向けて足場の撤去が進められている(Credit: NASA)
【▲ ケネディ宇宙センターのロケット組立棟(VAB)で撮影された新型ロケット「SLS」初号機。ロールアウトに向けて足場の撤去が進められている(Credit: NASA)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)の新型ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」と新型有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」の初飛行が、いよいよ近付いてきたことを実感します。NASAは現地時間3月11日、ケネディ宇宙センターで打ち上げ準備が進められているSLS初号機のロールアウト(移動作業)に関する日程を公表しました。

SLS初号機はNASAの有人月面探査計画「アルテミス」最初のミッション「アルテミス1」に用いられます。アルテミス1はSLSとオリオン宇宙船の無人テスト飛行にあたるミッションで、2022年4月以降の実施を予定。SLSで打ち上げられた無人のオリオン宇宙船は月周辺を飛行し、打ち上げから4~6週間後に地球へ帰還します。

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オリオン宇宙船を搭載して飛行するSLS(ブロック1)の想像図(Credit: NASA/MSFC)
【▲ オリオン宇宙船を搭載して飛行するSLS(ブロック1)の想像図(Credit: NASA/MSFC)】

NASAによると、SLS初号機のロールアウト実施は米国東部標準時2022年3月17日に予定されています。SLSの組み立てが行われたロケット組立棟(VAB:Vehicle Assembly Building)から移動先の39B射点までは4マイル(6.4km)離れており、NASAは移動に6時間~12時間かかると予想しています。

SLS初号機はVABに格納された移動式発射台の上で、2021年10月に組み立てが完了しました。SLSは最大積載量1800万ポンド(約8160トン)の輸送車両「クローラートランスポーター2」を使って、移動式発射台ごと39B射点へと運ばれます。ちなみに、オリオン宇宙船を搭載したアルテミス1のSLS(ブロック1)の重量は350万ポンド(約1590トン)、移動式発射台の重量は1130万ポンド(約5130トン)に達します。

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ロールアウトの様子は日本時間3月18日朝6時から、NASAの公式ウェブサイトやNASA TV、NASA Appなどでライブ配信されます。また、ロールアウトに先立つ米国東部標準時3月14日には試験前審査(Test Readiness Review)と審査後のメディア向けテレカンファレンスが予定されています。

クローラートランスポーター2に載せられてVAB(左)へと運ばれる移動式発射台(右)。2020年10月撮影(Credit: NASA/Kim Shiflett)
【▲ クローラートランスポーター2に載せられてVAB(左)へと運ばれる移動式発射台(右)。2020年10月撮影(Credit: NASA/Kim Shiflett)】

なお、NASAはアルテミス1ミッションでオリオン宇宙船とともに月周辺を飛行する「名前」をオンラインで募集中です。名前は特設サイト( https://www.nasa.gov/send-your-name-with-artemis/ )にて英語で登録を受け付けています。

特設サイトのフォームに「FIRST NAME」「LAST NAME」「PIN CODE(※4~7桁の数字)」の3つを入力して「SUBMIT」をタップまたはクリックすると、氏名が記載された「Boarding Pass(搭乗券)」がダウンロードできるようになります。応募者の名前はフラッシュドライブに記録した上でオリオン宇宙船に搭載されるとのことです。

【▲ 名前の登録後に発行されたアルテミス1の搭乗券(Credit: NASA)】

 

Source

  • Image Credit: NASA
  • NASA – Coverage, Activities Set for First Rollout of NASA’s Mega Moon Rocket
  • NASA – Fly your name around the Moon!

文/松村武宏

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